子供が親におもちゃをせがむときに、よくこう言う方をしませんか?

みんなが持ってるからボクも欲しい!」

親にモノをせがむときの常套句のようなものです。

「みんな」といえば、ふつうそれは「全員」を意味しますが、子供が言う「みんな」は、本当の意味での「みんな」ではありません。

多くの場合が、近所のマー君やさっちゃんが持っている程度のことではないでしょうか?

これは子供の発言なのでまだいいですが、社会人が公に発する文章で、「みんな」という言葉を使うときには十分に注意が必要です。



<例文>

「国民のみんなが日本の未来を悲観しているけど~」

「あのラーメン屋の餃子をみんながマズイと言っているけど~」

「同僚のみんながこのプランに反対して~」



「みんな」というのは、数字にすると100%です。

上記の<例文>は、果たして100%と断定できる内容でしょうか?

日本の未来をひそかに楽観している人、あのラーメン屋の餃子が実はうまいと思っている人、このプランの一部に賛成な人……これらは本当に0人でしょうか?

もし、0人と断定できないようであれば、安易に「みんな」と書くのは少々キケンです。

厳しい見方をするならば「ウソ」を言っていることになります。



<例文の修正>

「国民の多くが日本の未来を悲観しているけど~」

「あのラーメン屋の餃子を多くの人がマズイと言っているけど~」

「同僚の多くがこのプランに反対して~」

「多く」という言葉も曖昧といえば曖昧ですが、少なくとも「みんな」ほど無責任ではありません。

「多く」以外にも、「国民のほとんどが」「同僚の大半が」なども使えるでしょう。



理想的なのは、「みんな」や「多く」という言葉を使わずに、ある程度具体的な数字を書くことです。

世論によれば国民の80%以上が日本の未来を悲観しているらしいが~」

といった具合に。

みんな」のほかにも、「絶対に」「必ず」「いつも」なども、安易に使うとキケンな言葉といえます。

使用するときには十分に注意しましょう。