日本語では、主格・主語を省略するケースが少なくありませんが、省略したことで、意味が分かりにくくなるとしたら本末転倒です。

<例文>

佐藤さんは建築現場の事故で大けがをし、1週間の入院を余儀なくされた。この事故のショックで寝込んだ佐藤さんの奥さんが退院して2日後に入院。泣きっ面に蜂であった。


さて、上記の文章ですが、正しく理解できましたか?

1番目のセンテンスは問題ないと思います。

ところが、2番目のセンテンスの意味がよく分かりません。

「退院した」のが、「佐藤さんの奥さん」のように読み取れます。

また、「退院して2日後に入院」したのが、「佐藤さん」なのか「佐藤さんの奥さん」なのかもよく分かりません。

ついでに言えば、3番目のセンテンス「泣きっ面に蜂であった」の主格・主語も判然としません。


意味が分からなくなった最大の原因は、「退院した」という述語に対応する主格・主語が省略されているからです。

2番目、3番目のセンテンスに、正しく主格・主語を盛り込むと、次のようになります。

<例文(修正済み)>

この事故のショックで寝込んだ佐藤さんの奥さんは、佐藤さんが退院して2日後に入院。佐藤さんは泣きっ面に蜂であった。

意味がスムーズに伝わるようになりましたね。


やみくもに主格・主語を盛り込むと文章が幼稚になってしまいますが、意味を伝えるうえで不可欠な主格・主語については、省略してしまわないよう気をつけましょう。

とくに長い文章のときに注意が必要です。


伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける87の法則/明日香出版社

¥1,470
Amazon.co.jp

ダメな文章を達人の文章にする31の方法 なぜあなたの文章は、わかりにくいのか?/バレーフィールド

¥100円
Amazon.co.jp

文章が変わると人生が変わる!文章力アップ33の方法/バレーフィールド

¥200
Amazon.co.jp


どんな人ともドギマギせずに会話がふくらむコツを集めました!/三笠書房

¥1,365
Amazon.co.jp


人気記事:なぜ、あなたの文章は分かりにくい?
(伝わる文章を書きたい皆さんへ)