雑誌や書籍といった「紙媒体」と、インターネット上の「ウェブ媒体」

どちらに原稿を書くのもライターの仕事です。

私自身も「紙」と「ウェブ」、どちらの原稿も書いています。

「書けるんだったら、どっちでもいいじゃないの」

と考える方もいるかもしれません。

ところが、そうもいきません。

現状、プロのライターとして「食べていく」には、継続的に「紙媒体」で書いていく必要があります。

あくまでも「現状」ですが。



単刀直入に言うと、現状、同じ原稿でも「紙」と「ウェブ」では、ギャラに大きな差があります。

媒体の規模にもよりけりですが、個人的には、「ウェブ」のギャラは「紙」の10分の1~5分の1程度という印象を持っています。

いえ、ものによっては50分の1、100分の1程度のものもあるようです(クオリティを問わない、数が勝負の内職仕事のようなもの)。

どうしてそれほど差が出るかというと、当然、その媒体の収益と無関係ではありません(収益についての詳細はここでは省きます)。



いずれにしても、プロとして継続的に「食べている」ライターで、「ウェブ」だけで生計を立てられている人はほとんどいないでしょう。

軸足は「紙」に置きながら、たまに「ウェブ」の仕事もする。

そういうスタンスのライターがほとんどではないでしょうか。

ただし、それもあくまでも現状(2010年3月)での話です。

「紙媒体」と「ウェブ媒体」の価値を含めて、メディアの形態は刻一刻と変化しています。

簡単に言えば、「紙媒体」が力を落とし、「ウェブ媒体」が着実に力をつけてきています。

過渡期につき、今後を予想するのはとても難しいですが、力のある「ウェブ媒体」がコンテンツを強化しよう(原稿の質を向上させよう)と考えたとき、はじめてウェブ上でプロのライターが活躍する場が生まれる気がします。

とはいえ、そうなった場合でも、ギャラがどこまで上がるかは予測不能です(苦笑)。

しばらくは、「紙媒体ときどきウェブ媒体」という、いわゆる「晴れときどき曇り戦法」(←勝手に命名)で状況を見守るしかなさそうです。


注意:上記記事の内容はいわゆる「記事」を書くライター(記者)に限定したもので、特殊な技術を必要とする「セールスライティング」や「コピーライティング」を含んでいません。