白杖を持っていたのに、
ハデにころんでしまいました。
暗くてよく見えなかったのですが、
どうやら、歩道をふさぐ形で
自転車が倒れていたようです。
私は、それに足をひっかけちゃったみたい。
前のめりに
両手と両足を地面につけて
びちゃっと
かえる状態(笑)
すると、
前方から3人の男性が大急ぎで
かけよってきてくださいました。
「大丈夫ですか?」と言いながら、
一人が私を起こし、
一人が杖を拾い、
一人が自転車をどかす。
すげーー。連携プレー―。
人ってやさしいんだなーーと
びっくりしてしまいました。
***
白杖を持たずに歩いている時、
不注意で人にぶつかってしまったりすると、
「ごめんなさい」と謝っても、
キッとにらまれたり、
「ちっ」と舌打ちされたり、
「どこ見てんのよっ」とお叱りを受けたり
することがありました。
白杖を持っている時に
同じことが起こると、
明らかに私のほうからぶつかっていても、
「すみません」と謝ってくださることが
よくある気がしていました。
これ、どう思います??
私、ちょっと前までは、
「本当は冷たくていじわるなクセに
相手が障害者だとやさしいフリをする。
みんなウソつきだなぁ」
なんて、思っていました。
私、性格わるっ! (笑)
白杖持っていると、
私は、お化けになってしまう
気がしていました。
同じ人間じゃない。お化け。
だから
すれ違うと珍しくて
じーっと見てしまうし、
おおげさによけるし、
ぶつかったらいち早く謝るし。
「お化け、こわーーい」
ってみんなが言っているみたいでした。
だから、白杖持つのは
イヤなのよーーーーっ(泣
やだやだやだやだっ。
***
今日は、そんなお化けを
3人の男性が大急ぎで助けてくれました。
あれ?
私のこと、こわくないの?
お化けだよーーー??
不思議に思いながら、ふと、
その1時間くらい前に
目にした光景を思い出しました。
私が白杖を持って繁華街を歩いていた時、
一人の男性が、私とすれ違う少し前に
地面に倒れて歩道をふさいでいた看板を
立て直していたんですよね。
「まぁ、なんとできた方なんでしょ」と思っていました。
「ゴミが落ちていたら拾う、
看板が倒れていたら立て直す、
そんなことが当たり前にできてしまう方なのかしら。
ステキね~」
くらいに思って、その時は通りすぎました。
でも、
もしかしたら、
あれ、
私がひっかけないように
立て直してくれたのかもしれない。
(もちろん、
真相はぜんぜんわからないけど)
***
あぁーー、
訂正します。
私、
お化け、じゃなかったです。
自分のことをお化けだなんて思って、
本当にごめんよ。私。
じーっと見ていた人は、
私が危なくないか、
見守ってくれていたのかも。
おおげさによけた人は、
私が不安なく真っ直ぐ進めるように
道をあけてくれたのかも。
ぶつかった時、すぐに謝ってくれた人は、
きっと見えない私を気づかってくれたんだなぁ。
皆さん、
私を大事に扱ってくれて
本当にありがとうございます。
かえるみたいに転んだのは恥ずかしかったし、
お気に入りのパンツの膝がやぶけてしまったのは
なんとも情けないけど、
お化けじゃなくて、
大事な人だったのかも。
そんなふうに受け取れたことが、
今日はものすごくうれしかったので、
思わずシアワセの歌を書いてしまいました♪
おわり
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