11月15日、朝目覚める瞬間、明瞭なメッセージが来た。
「今日で終わりの鐘は鳴りました」
鐘…?なんで鐘なのか意味はわからなかったが、
きっと何かが終わって、新しいことが始まる日になるのだろう。
娘たちが学校に行く前、熱帯魚の水槽を見て、
一匹の魚の動きがおかしいことに気づいた。
他の魚と比べて、明らかに動きが鈍い。
熱帯魚を飼い始めたときから、5年以上生き続けている
イエローゴールドのエンゼルフィッシュ

いわば、水槽の主のような存在だ。
大天使ミカエルにちなんで、「ミカ」と呼んでいた。
「あ~ぁ、ミカ、ついに寿命かなぁ」
と言いながら、娘たちは学校に行った。
今朝のメッセージがあるだけに、偶然とは思えなかった。
美保子さんが徳力で佳世ちゃんをピックアップし、
私は門司から電車で苅田へ向かう。
今日はゆっくりランチする時間はないから、
事前にお菓子を買いこみ、朝は門司駅前の「千両」に寄って、
巻きずしも買って行った。
苅田駅前10時集合で、冒険はスタートした

車に乗ると、佳世ちゃんから思いがけないプレゼントがあった。
ローズ&ジャスミンのアロマが香るハンドクリーム。
5月のときは「鳴り物を持ってくるように」と指令があり、
音叉やハーモニーボールを持ってきたが、今回は必要ないらしい。
佳世ちゃんには2つのメッセージがあり、
その1つが「ジャスミン」の香りだった。
華やかで癒される香りに包まれながら、車を走らせる。
今日は「水」がカギだと言っていた佳世ちゃんは、朝から水を飲みまくっていた。
コンビニでも、「トイレに行きたくなるんだど…」と言いながら、
ミネラルウォーターを買っていた。
「ねぇ、白山多賀神社と青龍窟、どっち先に行く?」
と、佳世ちゃんが訊いた。
「さっきから、それ何回も言っている」と美保子さん。
「前は神社が先だったし、予定もそうだけど」と私。
「そんなに順番が気になるってことは、青龍窟が先だね!」
と意見が一致し、まずは青龍窟へ向かった。
途中、犬やカラスが先導してくれた。
ガタガタの道を運転して、辿り着いた青龍窟。
山のもみじは紅葉し、青空に美しく映え、
ピクニックに来たような気持ちよさだった

洞窟の入り口にあるご祭神を参拝してから、中に進んだ。
5月に来たときとは、岩壁の模様が全然違って見える。
白い龍が見えた場所には、大きな目があった。
差し込む光によって、こんなにも変わるものなのか。
前回は真っ暗だったのに、今日は洞窟全体が明るい。
「ここに女の人がいる。孫悟空の三蔵法師のような」と美保子さん。
「へぇー、そうなんだぁ」と右側の岩壁を見たが、
私と佳世ちゃんには、よくわからない。
「あそこに、小さな龍がいるよ」と、美保子さんはうれしそう。
思ったことを何でも口に出せることが、彼女にとっては至福の喜びなのだ。
「気がついたことがあったら、どんどん言って。
私はわからないから、教えてねー」と伝えた。
前回は龍が見えた場所、右上の穴から光が差し込む辺りが、どうもツボらしい。
そのポイントに3人で立つと、爽やかな風が吹き抜けた。
なんだか、とっても気持ちがいい。
美保子さんがふいに「あーー♪」と声を出した。
すると、佳世ちゃんが「あ~~~♪ あ~~~~~

「一緒に声を出して」と促され、3人で思い思いに声を出した。
音が重なって、ハーモニーになった。
このときは、みんな無心。
とても自然な流れで、ハーモニーを奏でた



音が途切れたとき、佳世ちゃんが「ありがとう

「もう1つのメッセージは、これだったんです。
ハモる!って来ていたけど、抵抗があって言えなかった。
私が歌う!?そんなバカな!って。
無理にはやりたくなかったし、自然に任せようと思っていたら、
美保子さんが声を出してくれて、ミッション達成できた~。
ありがとう~!!」
そんなことはつゆ知らず、「何となく声が出ちゃった」と言う美保子さん。
私も調子に乗って、気持ちよく声を出した。
今日は、最初にハーモニーを奏でる必要があったんだね。
だから青龍窟が先だったんだ。
幸先よいスタート

清々しい気持ちで、白山多賀神社に向かった。