4月の初め、娘たちと一緒に数日間盛岡の実家に帰った。
早期のため、本人の自覚症状はない。
内視鏡で手術が行われ、1週間で退院した。
元気な母の姿を見て、心底ホッとした。
あなたが今まで出会った人の中で、一番信頼できる人は誰ですか?
もしそう聞かれたら、私は迷わず「母」と答えるだろう。
自分が大人になるにつれて、いろんな人間を知れば知るほど、
母のすごさがわかる。
誠実で、一貫性があって、強くて優しい。
大木のような安定感がある。
ずるさがない、嘘がない、見栄がない、ブレない。
母は元看護師。
大学病院の外科病棟に勤務し、結婚後は高校の衛生看護科で
専門学科を担当する教師となった。
私が中学の頃、通信教育で大学を卒業。
とことん、努力の人だ。
どんなときも、私が選んだ道を認めて後押ししてくれた母。
「自由と責任」を私に教えてくれた。
自分が母親になって、世の中にはいろんな母親がいることに気づいた。
母親との間に、葛藤を抱えている女性がたくさんいることも知った。
私たちは、かなり珍しい母娘関係かもしれない。
同居していた祖父母も実直な人柄で優しく、
大好きな存在だった。
両親が働いていいたため、ほとんどの家事は祖母がしていた。
祖母の料理は、素朴でとっても美味しかった。
この絆を、私は娘たちに繋いでいけるだろうか。
祖母と母から受け取った宝物のような関係性を、
しっかり手渡せるだろうか。
母の病気をきっかけに、そんなことを考えた。
私が体験した母親の優しさ、賢さ、包み込むような大らかさ。
祖母と母から教えられたすべてのことを、娘たちに伝えていこう。
自らを媒体として循環していこう。
満開の桜を見ながら、心に誓った
