ネット情報は一切無視、先入観なしで出掛けました。
作品については帰宅後、批評を見たところ予想内の反応です。
作品と同時進行の時代を過ごし、すべての場面がリアルタイムの記憶として残り、映画と実話がオーバーラップするという、引退した老テニスプレイヤーにとっては、未だかってない不思議な気分にさせられる作品でした。
この作品は「アメリカン・グラフィティ」同様、製作者のこだわりは半端なく、登場人物はすべて本人とそっくり、何処からかき集めてきたのか、ラケットも当時のプレーヤーの契約ラケットと一致しています。
この作品はエンディングのパターンもそうなんですが、テニス版「アメリカン・グラフィティ」と言えるのではないかと気づいたのです。
この50年間で木のラケットは姿を消し、スチールラケットが出現、デカラケも様々に材質が変化し、テニスそのものが、ほとんど別の種目になったと言えるほど変貌し、この作品では昔のテニスの優雅さが際立っています。
この作品は、ちょうど先の大統領選挙の頃の制作で、ヒラリーが当選の暁にホワイトハウスで試写会をやる予定だったそうです。
そういう目で見ると、ヒラリーの背中を押すような内容が随所に見られるのですが、目論見に反してトランプ氏が勝利してしまったため、純粋に娯楽作品として楽しめる状況になったのは幸いでした。