名古屋の徳川美術館で「源氏物語絵巻」の展示が開催中です。
『源氏物語』は定説である平安時代のものとは別に約350年古い倭国時代のオリジナルが在る、とこのブログでも書き続けています。
米田良三氏は宮内庁が所蔵している可能性を述べています。
しかし、絵巻はオリジナルを見ることができます。
真の意味でオリジナルか、後の時代の模写かは断定できませんが、徳川美術館のものと全く異なる画調です。
代表的な2つの場面を紹介します。
天理大学の所蔵する北山の場面では五重塔が描かれていますが、歴史上京都の北山に五重塔が建ったことはありません。
この五重塔は法隆寺のそれが太宰府の観世音寺にあったときのものなのです。
ハーバード大学の所有する長谷寺の場面も大和のものとはマッチしていません。
五木寛之氏は(平安)清少納言の頃は登り廊は未だなかったと述べています。
これらの絵を載せた行為は出版社、許可した学者連中のオウンゴールと言えなくもありません。
「どうせ作り話だからマッチしなくたって問題ない」という返事が返ってきそうです。
夢のない人たちです。