倭薈終焉の地を巡るにはJR柳ヶ浦下車、タクシーの利用(1時間4000円)がよい。まず、巡礼の出発点、法鏡寺廃寺に寄るが、発掘の後、すべて埋め戻されており、のどかな田園住宅地の風景のみである。次に上拝田よりさらに南の鷹栖観音へ向うが、駅館川にせまる崖は何かしらスピリチュアルな奮囲気がただよう。来た道を戻り虚空蔵寺跡では薬師寺の東塔が建っていた礎石(写真)
を見る。周りは薬師寺古図の奮囲気がまだ残っている。
次に小倉山へ向うが、途中 iichiko を造っている酒造メーカーの前を通る。小倉山は会社の敷地なのか、裏山なのか、山に登る気分になれないのが残念。小倉山を取り巻くように走り山下へ向う。宇佐別府道路のガードのあたりが大門(現在の東大寺南大門)の跡である。南に向って田んぼの中をまっすぐに走る道の先が上元重で、東大寺の伽藍があったところである(写真)。
背後の山々はまさしく「東大寺縁起」にある山々とそっくりである。
今となっては建築物は何も残っていない宇佐地方であるが、少し勉強して行くだけで、景色の見え方が全く異なってくる。聖地を巡った後で宇佐神宮へも寄ったが、大和朝廷製の施設と思うだけで(宇佐神宮を)低く評価している自分に気づき思わず笑ってしまった。風土記の丘にある大分県立歴史博物館は寄ってみる価値充分あり。そのパンフレットに小倉池のことを「江戸期にできた灌漑用ため池」としているのは気に入らない(古代からある)。