難しいテイクダウンのポイント | レスリングを考える

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 全日本選抜の女子55kg級、吉田選手対村田選手は大接戦の末吉田選手の逆転勝ちだったわけですが、はっきり分かったことは現在のルールは吉田選手であってもあっという間に5点を取られてしまうルールだということです。いくら練習が出来なかったとはいえ、スタンドから寝技に移行してもあんなに簡単に返されてるとはやはり予想できませんでした。改めて恐ろしいルールだなあと感じます。

 

で、初回の5点の中で微妙だなあと思ったのがスタンドでの2点の部分です。

http://wrestle-cast.net/movie.php?movie=13715682982

流れ的にはタックルを切ってそこからのポイントに見えます。ならば1点のはずですが2点が加算されています。よくよくみてみると、タックルを切る ⇒手取からバックに回る こういう流れなので恐らく技をかけてポイントを取った、という判断が為されたのでしょう。

 

正直いって、よく3人全員が2点と瞬間的に判断できたなあと感心します。私だったら瞬間的に1点を入れていたなあと。まあこの辺は事前に相当強く話をして意思統一が為されていたのでしょうが、現実にはこれよりもっと微妙な判断が求められることも出て来るでしょう。恐らく今後も相当に審判泣かせの、そしてトラブルの元になるようなルールになってくのではないかと感じます。

 

 一方でこうなると選手の練習も変わるかもしれません。ガブリからバックならば1点ですが、タックルを切った上で何らかの技に見える行為を入れることによって2点になるからです。無論これは状況によって出来ないこともあるでしょうが、このルールが定着するならばそういう方向で技術展開を研究していくのは当然のことです。

 

 ただ、このルールもどこかの時点で修正が加わる可能性があるのではないか、そのような気もします。審判団から、この判断は容易ではないですよ、という話にならないのかなあ、と。

 

 考えれば考えるほど、新ルールとは審判にとって難しいルール、という思いが強くなってきてしまいます。