満を喫して登場のセブンは、空中殺法を連発し復活の兆しを見せたが・・・
11日、ファイト・オブ・ザ・リング(以下、FOTR)高島平大会は、全6試合の激闘が行われ、メインのタッグマッチでは、久し振りにワイルドセブンがFOTRのマットに帰ってきた。
事の起こりは3か月前に遡る。5月4日、FOTR高島平大会、長瀬館長が加藤茂郎とラテンアメリカン選手権防衛戦を行うが、ここに死神、レザーフェイス、謎の?黒覆面が乱入。更には、当時、正規軍として館長のセコンドについていたアラケンが突如、造反。死神らと結託し館長をボコボコにしたのだ。
これにセブンが呼応した。昨年、癌の発症によりベルトを返上したものの、ラテンアメリカン選手権には強い思い入れがあるだけに、怒りを露わにした。セブンは、復帰、王座奪取宣言と共に、団体(FOTR)にタイトルマッチを汚したアラケンとの対戦を要求。
FOTRがセブンの要求に応えて組まれたマッチメイクが、今回のメイン、セブンが館長と組み、アラケン組と対決するカードだ。何故、館長とのコンビと疑問も残るが、結果はセブンに対して厳しい結末となった・・・
試合後、館長がラテンアメリカン選手権の返上を宣言。9月、11月両大会にてラテンアメリカンの争奪戦を行い、セブンに参加するよう促し、最終的にセブンもこれを了承した。
セミではFOTR初登場の大和ヒロシが、HⅡ試練の5番勝負の相手を務め、圧倒的な存在感を見せつけた。
注目の加藤茂郎が松崎和彦に挑戦したミズーリ州ヘビー級選手権は、松崎が防衛。
今後、FOTRのマットで、松崎のミズーリ州ヘビー、加藤のUSヘビー、館長のWMWミドル&UWA世界ライト、更にこれから争奪されるラテンアメリカン選手権と、シングルのベルトを巡り、様々な闘いが展開していきそうだ。
恒例の試合後、記念撮影。
■ファイト・オブ・ザ・リング
日時:8月11日(土) 開始:18:00
会場:高島平区民館
ゴング前より、どちらが先陣を切るかで、早くも雲行きが怪しくなる。館長はセブンにコーナーへ行くよう指示するも、結局、先発はセブンでスタート。
リッキー vs. セブンでスタート。ご挨拶程度の攻防から、リッキーがアンドレ(腕固め)を決めると、コーナーよりアラケン
「おい!リッキーさん、入っちゃったよ!決めちゃいな」と激を飛ばす。
セブンはリッキーの腰が浮いた隙に、前転でこれをエスケープ。
リッキーのボーアンド・ローを返し、スタンドに戻ったところで、セブンとリッキーが握手し、アラケン登場。セブンが要求した、アラケンとの対決がいよいよ見られると思った矢先、アラケンがセブンの背後からぶち当たり、よろけたセブンがコーナーへ。ここで館長が、セブンの背中へタッチし、強制的に交代。
セブン vs. アラケンはお預けとなる。
出だしは勢いよく登場の館長も、ヒール・コンビの連携の前に、一方的にやられる展開。更に、セコンドのレザーフェイスも加わり、館長の脳天へ板片の一撃。板には、館長の頭で穴が開く。
完全にヒールコンビに捕まり、館長がやられる展開が続く。FOTR復帰戦、この日の主役、セブンをさて置き、館長が孤軍奮闘。
あくまで、アラケンへの報復が目的のセブンは、自軍の館長がやられていても関係ないとばかりに、コーナーで待機中もそっぽを向き、知らぬ顔の半兵衛を決め込む。
ようやく反撃に転じた館長はリッキーに、拘りのスリーパー。トラースキックから、ローリング・クラッチ・ホールド、ローリング・ソバット、ジャーマンと館長の畳みかける攻撃が続くが、アラケンのカットプレー。セブンはコーナーで相変わらず知らぬ顔。
リッキーのタイツの紐が館長に絡むアクシデントもあったが、館長は延髄蹴りで、ようやくセブンにタッチ。
ようやく出番の来たセブンの大攻勢。フライング・クロス・チョップ(冒頭写真)からドロップキック、フィストドロップとリッキーを追込む。一気にバックに回り込み勝負をかけたセブンだが・・・
リッキーはレフェリーのガンダーラを突き飛ばすと同時に、セブンの股間のあたりを、蹴り上げ、そのまま首固めでフィニッシュ。
勝ち名乗りを上げる、リッキー&アラケン。セブンは股間のあたりを押さえながら抗議するも後の祭り。
試合後、リッキーの暴挙。セブンに襲いかかり、マスク剥ぎ。この後、剥いだマスクをリッキーが被り・・・
剥いだセブンのマスクを帽子のように被り、アラケンと共に、スペシューム光線のポーズでおどけて見せるリッキー。
悪の連携で、存在感を見せつけたヒール・コンビ。今後もFOTRのマットで大暴れしそうな予感。
試合に負け、ピンを奪われたうえに、マスクまで剥がれたセブン。セコンドより投げ入れられたマスクで素顔をさらす事無く、難を逃れたが・・・・要望のアラケンとの絡みもほとんどないまま屈辱的な結果となり、当初宣言したラテンアメリカンへの挑戦も、その資格がないと弱気のコメント。
これに対して、館長は、何と、自ら保持するラテンアメリカンのベルト返上、9月、11月のFOTR両大会でベルト争奪のトーナメント戦を行うと宣言。
「本来、このベルトは自分のものではない。セブンが病気により返上したものを、たまたま巻いてるだけ。トーナメントにセブンが参加し実力でもぎ取り、改めて王座を賭けて闘おう。」
館長のコメントに、セブンは後ろ向きな姿勢を見せるが、
「そんなものなのか!トーナメントに参加して、実力で獲ってみろ!」と館長が奮起を促すと、ファンからの声援の後押しもあり
「やってやる!」とセブンは言い残し、その場を去った。
<第6試合 タッグマッチ60分1本勝負>
長瀬館長、●ワイルド・セブン
15分50秒、首固め
新井健一郎、〇リッキーフジ
応援ガール YO-KOと共に、踊りながら入場するHⅡ。これが、この日、HⅡ最大の見せ場となってしまった。
第1戦、田中稔に続き、HII試練の五番勝負の第2戦、対戦相手は、大和ヒロシ。
ある程度の予想はしたが、想像通りの一方的な試合展開。序盤、レスリングの攻防では、素人目に見ても力の差は歴然。
大和は有利なポジションを難なく取ると、HⅡの動きに合わせ、常に重心の位置をキープしたまま、有利なポジションを取り続ける。エネルギーを消費する事なく余裕の表情だ。
何度かハイキックも試みたHⅡだが、有効打とは成らず。打撃合戦でも、大和が余裕を見せ、HⅡにエルボーをガンガン打たせたが、厳しい返礼を返して力の差を見せつけた。
フィニッシュは、スピアーから、ボストンクラブ。大和の圧勝であった。
格の違いを見せつけた大和だが、試合後もHⅡに詰め寄る場面も・・・
<第5試合 HII試練の五番勝負第2戦60分1本勝負>
●HII(ねわざワールド品川)
10分19秒、逆エビ固め
〇大和ヒロシ
応援ガール YO-KO
かつてNWAの登竜門と呼ばれた、ミズーリ州ヘビー級王座の防衛戦が、FOTRのマットで実現した。
このベルトは、6月23日、熊谷・雀幸園にて復活、松崎和彦が田馬場貴裕を破り新王者となった。これまで、FOTRのマットでは、脇役的ポジションだった松崎番長が、これにより主役の一角に食い込んできた。
今回は、番長が加藤茂郎の挑戦を受ける、大ベテラン同士のの一騎打ち。羽鳥リングアナ、一押しの試合で、今大会、裏メインとも言える注目の一番だ。
一見、地味だが深みのあるプロレスをする両雄の対決は、序盤から、ジックリとファンの目をリングに惹きつける。
遂に炸裂!番長、必殺のランニング・ネックブリーカー・ドロップ。リング中央、見事なタイミングで決まった。
一気に勝負に出た番長は、追い打ちのバックドロップで畳みかけるが、加藤は体を捻って、番長の上に覆い被さる。
中盤以降は、加藤の足殺しから、四の字固めの攻防の展開へ。
場外乱闘から、加藤の足四の字固めが場外で決まる。加藤は、場外カウントギリギリで放し、リング内に駆け込みリングアウト勝ちを狙う作戦のようであったが、結局、両者リングアウトの引き分けに・・・
いつもであれば、試合前FOTRタイトルマッチ・ルール説明等、紹介があるのだが、説明がなかったので、把握できないまま試合がスタート。
ドリルアホール・パイルドライバー、トップロープからの攻撃、オーバー・ザ・トップロープ等はなかったので、その点は問題なかったが、ピンフォールもしくはギブアップのみでタイトルが移動するのかどうか、よく理解できなかった。
難敵、加藤を相手に、防衛に成功した番長。その表情が激戦を物語る。
<第4試合 ミズーリ州ヘビー級選手権61分1本勝負>
△松崎和彦(王者)
14分22秒、両者リングアウト
△加藤茂郎(挑戦者)
※松崎がタイトル防衛
前半戦、最後はエルアミーゴ・アモン&ビッグベアーのコンビ vs. 死神、レザーフェイスの大型モンスターコンビ。
試合開始より、モンスターコンビが大暴れの場外乱闘。小柄なビッグベアーがターゲットとなる。
モンスターコンビにボコボコにやられるビッグベアーであったが、めげずにコーナーポストよりダイブ。レザーフェイスに果敢にダイビング・ボディ・アタックを仕掛けるビッグベアーだが、受け止められ、ビクともしないレザー。
最後は死神のアイアンクローから~の踏みつけでピンを奪われたビッグベアー。試合後も、死神が狂ったように、ビックベアーにガンガンとイス攻撃。
セコンドの佐野直が
「やり過ぎだ!ただの居酒屋の店長だぞ!」
と死神に抗議すると、死神は
「リングに上がれば、そんな事は関係ない!」とプロフェッショナルの厳しさを示した。
<第3試合 タッグマッチ45分1本勝負>
エルアミーゴ・アモン、●ビッグベアー
8分8秒、アイアンクロー⇒踏みつけ
〇死神、レザーフェイス
清水来人が大金星。ベテラン佐野直よりタップを奪う。
第2試合で行われた、新人・清水 vs. 大ベテラン佐野直の一騎打ちは、清水がいかに善戦するかと注目されたが、予想外の大波乱。
試合は開始より、予想通り、清水のハツラツとした活きがいいファイトと、佐野の老獪でずる賢いファイトの攻防が展開された。このままいけば、佐野の勝ちは動かないだろうと思っていたが、まさかこの後、波乱が起こるとは思いもしなかった・・・
場外乱闘、佐野のパンチが清水に炸裂。
エプロンサイドに固定した清水に佐野が助走をつけたジャンピング・ニーパットが炸裂!
パンチ合戦。佐野は、右のパンチを出すと見せかけ、左手で清水の目のあたりを攻撃。この辺りのずる賢さは、流石にベテランだ。
「新技を出すぞ~っ!」と観客にアピールし佐野を肩の上に担ぎ上げ、アルゼンチン・バックブリーカーを決める清水。佐野は堪らずタップするもレフェリーが・・・
佐野をスリーパーホールドで締め上げる清水。復活したレフェリーが佐野の手を上げ放すと、ダラリと下に落ちる。2度繰り返し、3度目、お約束の握りこぶしを作り大丈夫とアピールした佐野であったが、直後に堪らずタップアウト。今回は、シッカリとレフェリーの目前で、佐野の負けが確定した。
<第2試合 30分1本勝負>
●佐野直
8分13秒、胴締め式スリーパーホールド
〇清水来人
このタッグマッチは格闘技プロレス・ルールで行われる事が試合前発表され、パンチを主武器とする326選手以外の3選手はオープンフィンガー・グローブの着用が義務付けられ、326選手はノーフィンガー・グローブ着用で闘うこととなった。
写真はロープのリバウンドを利用して田馬場と326、ツープラトンのパンチ、いかにもプロレスらしい技がマイケル オズボーンにヒット。
場外で、田馬場とマイケルオズボーンがやり合ってる隙に、リング上ではニンジャリーが326にフィッシャーマンズ・スープレックスから~の腕ひしぎ逆十字固めでフィニッシュ。
試合が決まると、ニンジャは、場外の田馬場に襲いかかり、ド迫力の場外乱闘となる。
<第1試合 格闘技プロレスルール タッグマッチ30分1本勝負>
〇ニンジャ・リー、マイケル オズボーン
8分17秒、腕ひしぎ逆十字固め
田馬場貴裕、●326
久し振りに、オープニング、KaNnaダンスショー。キレのあるセクシーな踊りで、観客を楽しませた。
ショーの後、衝撃発言。前大会(6月21日、FOTR新木場大会)にて、GM卒業宣言を行ったガンダーラ鈴木より、KaNnaにGM引継ぎの打診が来てるというのだ。観客からも大声援で、今後は、KaNnaテーストで新生FOTRが楽しめそうだ。
リングアナと実況は羽鳥武史。この日は強力な助っ人として、コメンテーターとして 雫有希選手もFOTR初登場。選手目線のコメントは羽鳥アナの詳しい解説に深みを加えた。
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