テレビの街頭インタビューで、「子供の運動会は中止になったのにオリンピックは開催されるというのは納得できない」というような意見があったが、

 

それは、「オリンピック=運動会」と考えているから納得ができないのだろう。

 

そういう人は、「家事=ままごと」、「仕事=金稼ぎ」という考えでもいいということ?

 

 

 

オリンピック選手に対して、「オリンピックなんて子供の運動会と同じだろ?」とか、上智大学教養学部教授 中野晃一氏のように、「オリンピック選手はスポーツしかできないバカだろ?」などと言えるのか?

 

自分が日々行っている家事を「家事なんて子供のままごとみたいなもんだろ?」とか、自分の仕事を「それってただの金稼ぎだろ?」などと言われて平気なのか?

 

「皆で体を動かして競っている」という上っ面だけを見て、「オリンピック=運動会」という思考であるならば、それは上っ面しか見ていない、もしくは、中身を見ようとしない浅はかな行いと薄っぺらい思考だということだ。

 

 

 

あ、先ほどの上智大学教養学部教授 中野晃一氏のことは、これを根拠にしています。

 

 

 

 

オリンピック選手は人生をかけ我々の見てないところで日々肉体と精神を鍛え上げ、自身の限界を目指したり限界を高めたりしながら人体の能力の最高地点を競い合い、それを披露しようとしている。

 

これを子供の運動会と同じだと言えてしまう大人の愚かさ、深慮の無さが、思いやりの薄れた社会を作り出しているのではなかろうか?

 

上っ面の目に見えている部分だけで物事すべてがそうであると決めつけてしまう深慮の無さ。

 

深慮が無いからこそ、対案や改善策など考えもせず、ただただ文句、難癖を投げつけるだけの「批判もどきの雑音」ばかりになっているのだろう。

 

 

 

物理的、形式的にオリンピック同様に子供の運動会を開催したいのであれば、運動会前の14日間、運動会出場者とその家族も含め(子供なので保護者も)隔離状態になり、運動会開催日の3日前から毎日PCR検査を実施し陰性であることを確認すれば運動会に出場が可能となり、運動会は無観客、つまり、保護者の観覧も禁止して実施すればよいのでは?

 

「オリンピック=運動会」という思考なら、東京オリンピックは入国後一定期間の隔離と毎日PCR検査を実施し、無観客開催なのだから、運動会もこのようにして開催してみては?

 

日本全国の学校で運動会を開催するとなると、児童生徒とその保護者が一定期間家に閉じこもってもらい、開催日前までに複数回のPCR検査で陰性であることを確認し、運動会を開催しても無観客で実施。

 

これ、できますか?

 

オリンピックではできても、日本全国の学校、児童生徒とその保護者に対しては物理的に不可能でしょ?

 

つまり、「オリンピックと運動会は違うもの」だということ、「開催するうえでできること、できないことがある」ということ。

 

大人が子供みたいなことを言っている場合ではない!

 

大人が深慮できないなら、子供だって物事を上っ面だけで判断したり、他者を思いやることもできなくなってしまう。

 

 

 

運動会を中止にしない方法はあるのですよ。

 

我々が感染しないこと。

 

感染は接触感染よりも飛沫感染の方が多いことは分かっている。

 

なので、今まで以上に飲食時、会話時に飛沫が飛ぶのを防げるようになれば、感染者は減り、今後の感染拡大も抑えられるようになる。

 

面倒でも、飲食時に会話する時にはその都度マスクなどで口を塞いで飛沫を徹底的に防止すれば、全体として感染者は減り、運動会を中止にするほどでもない感染者数になるだろう。

 

これ、多くの大人たちで試してみました?

 

大人たちが努力もそこそこに、やれ政府の責任だ、やれオリンピックなんかやめろ、などと文句ばかり言っていても感染者数は減りませんよ。

 

 

 

さらにもう一つ、運動会を中止にしない方法がある。

 

それは、世界目線で新型コロナウイルスの状況を把握すること。

 

アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、韓国などなど主要国だけでもいいので、その国の人口と感染者数を冷静に見て欲しい。

 

人口3億3,000万人で7日間平均の感染者数2万8,300人のアメリカ。

 

人口6,680万人で7日間平均の感染者数3万6,800人のイギリス。

 

人口6,700万人で7日間平均の感染者数4,900人のフランス。

 

人口8,300万人で7日間平均の感染者数990人のドイツ。

 

人口6,000万人で7日間平均の感染者数1,600人のイタリア。

 

人口5,180万人で7日間平均の感染者数1,390人の韓国。

 

日本は人口1億2,622万人で7日間平均の感染者数2,470人。

 

各国の7日間平均の感染者数を日本の人口に換算すると、アメリカは1万820人、イギリスは6万9,530人、フランスは9,230人、ドイツは1,500人、イタリアは3,360人、韓国は3,380人となり、人口当たりの感染者数はドイツだけが日本よりも少ない状況にある。

 

ちなみに、現状、日本は感染者が増えつつあるが、上にあげた国々も同様に増えつつある。

 

ワクチン接種が他国に比べ進んでいない状態で、他国に比べ人口当たりの感染者数は少なく、感染者数が増えつつあるが他国も同様、というのが世界目線で見た客観的事実だ。

 

日本が特別感染者数が多いわけではなく、むしろ少ない方で、日本だけが感染者が増加しているわけでもないという事実を把握すれば、もう少し冷静に物事を見ることができるようになるのではなかろうか?

 

世界目線で冷静に見れば、この程度で酒の提供を制限するのはどうなの?とか、この程度で運動会を縮小でもなく中止にするのはどうなのか?とか、ワクチン接種が進めばもっと他国より減少するのでは?とか、もう少し飲食時や会話時の飛沫感染対策を頑張れば感染拡大を抑えらえるのでは?といった前向き、プラス思考の考え方になる人が増えるのでは?

 

日本国内の悪い部分だけ、そればっかりを見て、無駄にマイナス思考になり、無駄に不安感を高め、無駄に制限やお互いの監視の目を強めるのはいかがなものかと思う。

 

まさに今の日本国民は、「井の中の蛙大海を知らず」だ。

 

※「井の中の蛙大海を知らず」とは・・・

知識、見聞が狭いことのたとえ。また、それにとらわれて広い世界があることに気づかず、得意になっている人のこと。

自分の狭い知識にとらわれてしまい、物事の大局的な判断ができないこと。

 

 

 

それにしても、

 

「子供の運動会は中止なのにオリンピックは開催していいのか?」

 

「密を避けろと言っているのに満員電車はいいのか?」

 

1年前の思考と変わりない人がまだ存在しているとは・・・1年以上もの間何を見聞きしてきたのだろう?