東京オリンピックでの酒類販売などあり得ない、弁えろ!

 

東京オリンピック会場での酒類の販売について、「検討」の段階から「検討すること自体おかしい!」、「酒類販売を検討とは何事だ!」といった批判が沸き上がった。

 

それって、「弁えろ」ということなのだろう。

 

ということで、蔓延防止等重点措置がもし解除されたとしても、飲食店で普通に酒類が提供できるようになったとしても、プロ野球やJリーグで酒類販売が再開されたとしても、東京オリンピック会場に限っては酒類販売は禁止ということに。

 

 

 

これ筋通ってる? こんな決まり方でいいの?

 

私個人としては無観客での開催を望んでいたので、当然、会場での酒類販売なども無しという頭でいたし、会場で観戦するつもりもないので酒類の販売があろうがなかろうが関係ないのだが、物事の決まり方、世間(一部かもしれないが)の偏った感情、意見、考え方が実に気になった。

 

オリンピック会場で、例え蔓延防止等重点措置が解除されたとしても、感染対策を考慮したうえでの酒類販売だとしても、とにかく酒類販売禁止というのは、感染拡大を防ぐためですよね?

 

ならば、プロ野球もJリーグも酒類販売は禁止、飲食店での酒類提供も禁止なのが筋では?

 

まさか、飲食店が酒類を提供できずに苦しんだので、東京オリンピックはその分制限を受けろということ?

 

テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」の玉川徹氏や羽鳥慎一氏の批判を聞くと、そう受け取れなくもない。

 

スポーツ報知 「玉川徹氏、東京五輪会場内の酒類販売容認にあきれ『本当にやるの?矛盾してますよ、論理が』」

 

 

玉川徹氏は「本当にやるの?本当にやるのこれ」とあぜん。

 

改めて「直行直帰で寄っていけない所は、お酒を出す所なんでしょ。お店に関しては、お酒を出すなって言っているんでしょ。オリンピックが開かれる東京だけど、会場の中はお酒OKって」と理解できないとした。

 

そして「これ、居酒屋とかバーの人が聞いたら激怒じゃないですか。矛盾してますよ、論理が」とあきれていた。

 

とあるが、東京都内の飲食店でも酒類の提供は制限付きだが再開のはず。

 

NHK NEWS WEB 「東京都『まん延防止』措置決定 飲食店の酒提供は制限付き」

 

緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行する来週21日から行う措置を決めました。
措置の対象となるのは、23区と、檜原村と奥多摩町を除く多摩地域です。
このうち飲食店に対しては、引き続き午後8時までの営業時間短縮を要請したうえで、酒の提供を認めます。

 

玉川氏の言っている「お酒を出すなって言っているんでしょ」というのは、6月21日以前までのこと、そして、東京オリンピックは7月23日に開会式、競技は21日から開始。

 

なので、玉川氏の言う「論理」、「飲食店での酒類提供自粛要請なのだから、東京オリンピック会場での酒類提供禁止」とやらに合わせると、「東京オリンピック会場での酒類提供禁止なら、飲食店でも酒類提供自粛要請継続」ということになってしまう。

 

論理が矛盾しているのは玉川徹氏自身ということになる。

 

 

 

羽鳥慎一氏は・・・

スポーツ報知 「羽鳥慎一アナ、東京五輪会場内の酒類販売容認に『飲食店がずっと我慢。オリンピックは何でもありなんだな』」

 

 

羽鳥慎一アナウンサーは「本当に長い間、お酒を出せなくて飲食店がずっと我慢してきたのに、オリンピックは何でもありなんだなって」と話した。

 

「本当に長い間、お酒を出せなくて飲食店がずっと我慢してきたのに」という発言から、「我慢してきたのだから東京オリンピックも我慢しろ!」という思考なのだとわかる。

 

玉川徹氏も、「これ、居酒屋とかバーの人が聞いたら激怒じゃないですか。」と発言しているので、同じ思考だろう。

 

 

 

なんだその「感情論」、馬鹿にされてる「根性論」よりも質が悪い

 

部活で、「俺らは先輩から練習中に水を飲むなと言われたから、お前ら後輩も水を飲むな!」とか、

 

姑が嫁に対し、「私が若いころは姑に厳しく言われたし、言われながらもやったものよ。だから、あなたも同じようにしなさい!」とか、

 

普通に客観的に見てダメ人間が言いそうな、「私が不幸なのだから、あなたが幸せになるなんて許せない! あなたも不幸になりなさい!」というのと似ている状況。

 

個人間でやりあうなら勝手にどうぞだが、これが世の中全体に当たり前のようにあるならば気持ちが悪い。

 

そう思いません?

 

「私が不幸なのだから、お前らも不幸になれ!」とか、「誰かが不幸なら皆が不幸にならねばならぬ!」みたいな世の中。

 

 

 

逆に考えて、五輪会場での酒類販売がダメならプロ野球やJリーグも当然?

 

真に感染拡大を考慮して酒類販売を禁止にするならば、同じように観客が集まるプロ野球やJリーグも同様であるべきだろう。

 

だが・・・

NHK NEWS WEB 「オリックス 京セラドームで酒類販売22日夜から制限付き再開」

 

 

22日夜、京セラドーム大阪で行われる日本ハム戦から、時間などを制限してアルコール飲料の販売を再開します。
 

プロ野球・阪神の本拠地、甲子園球場では兵庫県西宮市がまん延防止等重点措置に移行したことを受けて、アルコール飲料の販売を平日の午後7時まで行うことにしています。
一方、土日や祝日はアルコール飲料の販売を取りやめ、持ち込みも禁止するということです。

 

どうやら、プロ野球では、蔓延防止等重点措置に移行したことから、制限付きではあるが酒類の販売を再開するようだ。

 

Jリーグでは基本は自治体の要請に従うことを前提に、緊急事態宣言下においては酒類の提供は禁止、蔓延防止等重点措置下においての酒類提供は19時までと「Jリーグ 新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」(2021年6月21日更新版)の66ページに記載されている。

 

【参考】公益社団法人 日本プロサッカーリーグ「Jリーグ 新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」

 

こちらは問題視されず、東京オリンピック酒類提供検討時のような批判も聞こえてこない。

 

不思議だ。

 

野球場での野球観戦、サッカー専用球技場や陸上競技場でのサッカー観戦、東京オリンピックの各競技場での観戦、何が違うのだろう?

 

 

 

結局、皆が苦しんだのだから、後から来るオリンピックも同様に苦しめ!ということ?

 

俺らも先輩から練習中に水飲むなと言われたから、後輩も練習中に水飲むな!

 

私も姑から厳しくされたから、嫁も厳しさに耐えて当たり前!

 

私が不幸なのだから、あなたたちも不幸になりなさい!

 

プロ野球やJリーグなどの先輩はOK、後から来る東京オリンピックは新参者なのだから厳しく制限されろ!

 

みたいな「感情論」によって、緊急事態宣言が解除されてもプロ野球やJリーグはいいが、東京オリンピックだけは酒類提供禁止にしろ!ということなのだろう。

 

なおかつ、東京オリンピックは明日からではなく、7月中旬からなので、もし、それまでに蔓延防止等重点措置までも解除されたとしても禁止にしろ!制限を受けろ!ということなのだろう。

 

どこにも科学的根拠、客観的事実に基づくものは無い。

 

そうでしょ?

 

オリンピック会場よりも狭い店内での酒類提供はOK、プロ野球やJリーグでの酒類提供もOK、だけど、東京オリンピックに限ってはダメ!

 

どこに科学的根拠がある?どこに客観的事実に基づく判断がある?真に感染拡大防止を考えたと言える?プロ野球、Jリーグとの矛盾があるのに?

 

結局、東京オリンピック反対派はもちろん、反対派や報道によって不安などを煽られた人たち、制限を受けたのだからオリンピックも制限を受けろという感情論の持ち主、視野が狭く全体を見ず他との矛盾に気付かずに声を上げている人たちなどの「筋の通っていない声高な批判もどきの雑音」に何となく屈したのだろう。

 

国民の叫びによっては、国際常識や国際法なども無視して国の方針を決めてしまうどこかの国と同じことをしているように思う。

 

「感情論」で物事を決める世の中ほど危険なものは無い。

 

科学的根拠やこれまでの実績など、客観的事実に基づいて冷静に考えることが正しい判断に繋がる。

 

それと、批判したいばかりで全体を見ず、その時その時目に付いた問題点だけを取り上げて批判しているから、主張に筋が通っていない矛盾が生じるのだ。

 

問題点ばかりを見たり探すのではなく、常に全体も見ながらその問題点の改善策を考えるべきだ。

 

 

 

ちなみに、私は酒飲めるし、アルコールに強い方だが、世の中のように「酒、酒、飲食店で酒の提供をしろ!」みたいに酒を求めてはいない。

 

生きるのに必須なものではないので、飲食店でも競技場でも酒の提供が無くてもいいし、飲酒禁止法ができても困らないし、飛行機内で酒を提供しているのも意味不明だと思っているので、オリンピック会場で酒を提供しようがしまいがどうでもいい話だ。

 

だけど、プロ野球やJリーグはOKなのにオリンピック会場ではダメといった筋の通っていない部分や、飲食店が酒を提供できず苦しんだのにといった感情論を理由に物事を決めるといったことが、本質を見失っているのでは?と思った次第だ。