先日、山梨県知事が「歓送迎会ぜひやって」と発信したことで明らかになった政府と地方自治体とのちょっとしたゴタゴタ。

 

 

 

経緯としては、政府が2月下旬に各知事宛の事務連絡として、年度末や花見シーズンで増えるであろう宴会などを自粛させるよう働きかけてくれと通知。

 

このことが理由かは定かではないが、その後、山梨県知事が「歓送迎会や謝恩会はぜひやってください」と県民に向けて発信。

 

産経新聞 「山梨知事『歓送迎会ぜひやって』 条件として感染対策呼び掛け」

 

 

 

これに対し加藤官房長官が、再度、慎重対応を求めたことに対し、「東京と一緒にしないでほしい」と取材時に反論。

 

産経新聞 「歓送迎会発言『東京と一緒にしないでほしい』 山梨知事、加藤官房長官に反論」

 

 

 

このやり取りを見てかなのか、島根県知事も「歓送迎会、できるだけ実施を」と発信。

 

読売新聞 「島根県知事『歓送迎会、できるだけ実施を』…ただし9人以下・1時間半まで」

 

 

島根県の丸山知事は12日、職場での食事会などについて、9人以下、1時間半までとした上で、「できるだけ実施してほしい」と県民に呼びかけた。

 

国(政府)と地方自治体の連携というか、在り方というか、関係というか、これらがごちゃごちゃになっているように思う。

 

 

 

そもそも、国が発信する自粛要請は緊急事態宣言下の自治体に対して行うべきものだろう。

 

だからこそ、緊急事態宣言下の営業自粛などによる損失に対し、国は補う責任を負うわけだ。

 

責任を負わない部分への口出しは基本しないのが筋だろう。

 

なので、2月下旬の各知事宛の通知は、「自粛を働きかけてくれ」ではなく、「まだ、地方でも感染拡大の可能性は残っているので、国としては自粛を推奨する。」程度に留めておけばよかったと思う。

 

この言い回しであれば、国は責任を負う必要はない。

 

国の推奨に従った場合は「ありがとう」で済むことだし、国の推奨を考慮せずに歓送迎会などで感染拡大した場合も国に責任はなく、その自治体の知事の責任となる。

 

国としては地方自治体を従わせたいのかもしれないが、口出しをし、従わせれば従わせるほど、その分、責任も負うこととなり、場合によっては責任を負いきれない状況に陥る可能性もあると思うのだが、その認識は無いのだろうか?

 

下手をすれば自分で自分の首を絞めることにもなるということ。

 

権限を分散し、責任も分散させ、国(政府)はもう少し身軽になって素早く動けるようにした方が良いのではなかろうか?

 

霞が関の官僚だって連日深夜までの残業続きだろうに。(部署にもよるが)

 

 

 

なので、緊急事態宣言の対象地域ではない山梨県や島根県では知事の判断と責任で好きなように歓送迎会や花見を実施してもらい、もし、感染拡大した際には知事に責任を取ってもらえばよかろう。

 

そして国は、その時になって初めて、「国の推奨に従わずに感染拡大したけども、感染拡大抑制のために国が支援してあげますよ。」と皮肉まじりに対応すればいい。

 

国の推奨に従わず失敗したとなれば、より国に従わせやすくなるだろう。

 

これくらいのしたたかさを持ちつつ、筋の通った分かりやすい自治体との関係を築いた方が良いのでは?

 

 

 

何がそうさせているのか分からないが、国のやり方は何だか下手くそなように思える。

 

利権とか、体面とか、上っ面では分からない何かがあるのでしょう。

 

私なら、何でも自分に従わせようとせず、許せる範囲で相手に自由にやらせておいて、相手が失敗した時にそこを攻撃して一気に自分有利に事を運ぶ。

 

性格が悪いもんで。

 

 

 

ちなみに、島根県知事が提示した「9人以下、1時間半まで」という制限には何の根拠があるのだろう?

 

飲食の場で人数制限、時間制限をするよりも、より防げる方法として、やはり、「話すならマスクなどの飛沫対策を」だと思う。

 

面倒、やってられない、できない、などと否定から物事を見ず、できるところまでやってみるべき対策だと思う。

 

「常にマスクを着用し、口に食べ物を入れるときだけマスクをはずす」のではなく、「話す時だけマスクを」で十分効果あるはず。

 

さらに、飛沫防止パネルが設置されていない場合に限定してもいいかもしれない。

 

ゼロにはできずとも、感染確率を現状の半分にできるだけでも十分な効果だろう。

 

何なら、夜の飲酒を伴う場は諦めて、昼の飲食だけでも「話す時だけマスクを」という対策をすれば、現状よりもう少し感染者は減るはずだ。

 

 

 

記事には

飲食店の利用について、丸山知事はこれまでも人数や時間の目安を示してきた。今回も、異動や採用で来県した人や、県外者と飲食した人については2週間経過するまで、食事会などに参加しないよう求めている。

丸山知事は呼びかけで、これまでの県内感染事例は、7割近くが県外者との接触などに起因していると説明。

ともあるが、

 

やむを得ないのだろうが、どうも県外の人を厄介者として見ているような感じがして、感染者の多い地域に住む私としては、新型コロナが落ち着いてもしばらくは島根県には行けないなと思ってしまう。

 

車のナンバーを見て、嫌な顔をされたり、避けられたり、最悪はキズを付けられようものなら、最悪な旅行として記憶に残ってしまう。

 

慎重な人ほどそう思い、控えてしまうのでは?

 

そして、慎重な人ほど感染確率が低いであろうに、そんな人がなかなか島根に来ず、慎重ではない感染確率の高い人が真っ先に観光へ行くのだろうな。

 

何とも言えない矛盾を感じる。