緊急事態宣言が出されている首都圏だけに限らず、全国的に感染者が増えている現状においては、「如何に移動を制限して感染拡大を止めるか」が最重要課題となるのは致し方ないことだろう。

 

しかし、感染者が減ったとしても、感染拡大を止めた方法が「移動を制限して」となると、当然のことだが、移動制限を解除すれば再び感染者が増えることだろう。

 

つまり、「移動を制限して」という方法は、感染者急増を何とか抑えるためのその場しのぎ的な方法でしかなく、根本の解決には至らないという認識を持つべきだ。

 

なので、移動制限をして感染拡大を止めつつあるうちに、解除後に再度感染拡大しないよう対策を取るべきだ。

 

 

 

根本に対する対策をせずに緊急事態宣言を解除したらどうなるのか?

 

現状、首都圏に緊急事態宣言

 

2月下旬~3月中に緊急事態宣言解除したとして

 

3月下旬のお花見シーズン、4月の新入学、新入社、人事異動シーズンで気が緩み会食が増え

 

4月下旬から再び感染者が増えつつも5月のゴールデンウィークに突入

 

5月中旬以降さらに感染者が増え、東京オリンピック中止

 

6月に再び緊急事態宣言発出

 

7月下旬~8月中に緊急事態宣言解除

 

8月のお盆休みで再び気が緩み

 

9月後半の連休、10月頃からの紅葉シーズンでさらに気が緩み

 

11月頃から再び感染者が増え、12月のクリスマス、忘年会シーズンで感染者急増

 

再び1月に緊急事態宣言発出

 

2月下旬~3月中に緊急事態宣言解除・・・・・・・・・

 

というのを毎年繰り返したりして・・・

 

 

 

過去を振り返ると、密な通勤電車で感染拡大するのでは?と言われていたが、皆がマスクを着用し、黙って静かに乗車している電車内、バス内での集団感染は発生していない。

 

一部、旅行のバス内で会話をしたり、飲食をしていた場合に集団感染が発生した事例はある。

 

静かに鑑賞する美術館、博物館、図書館、映画館、劇場での集団感染は発生していない。

 

一部、演劇の稽古中や観客も一緒になって大声を出すようなライブハウスで集団感染が発生した。

 

スーパーやデパート、ホームセンターでの集団感染は発生していない。

 

当初、集団感染が多発したカラオケ、スポーツジムは、その後、様々な対策を講じ、今ではカラオケ、スポーツジムでの集団感染というニュースをあまり聞かなくなった。

 

飲酒を伴い比較的長時間滞在するような飲食店や会食での集団感染は多発しているが、立ち食い蕎麦屋や牛丼屋のように、短時間に黙々と食事をして立ち去るような飲食店での集団感染は確認されていない。

 

ということは、感染者の対応をしている医療機関での感染を除いて、それ以外の感染者の多くは、マスクを着用せずの会話・会食、換気が不十分な室内で感染者と長時間居合わせた、外出時にうっかり手を洗わずに目を擦るなど顔付近を触ってしまったというものに限られるのでは?

 

限定的ではあるが、よくあり得ることなので、感染者が増えやすいのだろうと思う。

 

言い換えれば、

 

●マスクを着用せずの会話・会食

 

●換気が不十分な室内で感染している「かもしれない」人たちと長時間居合わせる

 

●外出時に手を洗わずに顔を触る

 

上記のことさえ気を付ければ、今のような感染拡大にはならなかった、ならない、ということなのでは?

 

緊急事態宣言で移動を制限すれば、上記の3つのことも制限されるので、当然、感染者は減る。

 

しかし、同時に感染確率の低い、美術館、博物館などでの鑑賞、通勤、買い物までも制限されてしまうとともに、本当の問題行動や根本の解決方法があやふやになってしまう。

 

本当の問題行動を放置し根本の解決方法があやふやなまま緊急事態宣言を解除し、移動の制限を元に戻せば、結局、再度感染者が増えることになってしまう。

 

 

 

今時点は、「如何に移動を制限して感染拡大を止めるか」だが、同時に、緊急事態宣言解除後に「如何にして感染しやすい場面で感染しないようにするか」も考え、実践していかなければ、先ヘは進まず、同じことを繰り返すことになるのだと思う。

 

 

 

ちなみに、ワクチンはあまり期待しない方がいいと思う。

 

今のところ、新型コロナウイルス用のワクチンで「感染自体を防ぐ」効果は確認されていない。

 

感染した際の発症、重症化を抑える効果なので、「重症者を減らし、医療機関の負担を軽減する」効果として捉えておいた方が無難だ。

 

この新型コロナウイルスは軽症でも無症状でも感染能力がある。

 

ということは、ワクチンを接種して発症を抑えたとしても他者に感染させてしまう可能性はあるということ。少なくとも、ワクチンを接種すれば「感染しない」という確認も、ワクチンを接種すれば「他者に感染させない」という確認も取れていない。

 

今のところ、

 

PCR検査は、検体を採取した時点から2日以上前の状態がわかるもの。(※感染直後の1日、2日目程度では陰性結果になる可能性が高いため)

 

ワクチンは、感染した際の発症や重症化を抑え、重症者を減らすことで医療機関の負担を軽減させるもの。

 

感染拡大を止めたり感染を防ぐには、マスク着用、手洗い、消毒を基本とし、感染しないよう行動するという、これまでの感染予防対策をし続けること。

 

と、考えておいた方がいいと思う。