首都高湾岸線でポルシェがノーブレーキで前を走行していた車に追突し、追突された車両に乗っていたご夫婦が亡くなった事故。

 

このニュースを聞いた当初から、「ポルシェが調子に乗ってスピード出し過ぎていたのだろう」と思っていたが、事故当時に現場を走行していたトラックのドライブレコーダー映像が公開されて、やはりそうであったことが確実になった。

 

 

 

この事故、首都高湾岸線の川崎浮島ジャンクションと大黒ジャンクション間の直線区間で発生。

 

片側3車線のうち、左端の第1通行帯をガソリンを積載したタンクローリー車が走行、真ん中の第2通行帯を追突された車が走行、追突された車の後ろを走行していたトラックのドライブレコーダー映像が公開されているが、このトラックが右端の第3通行帯に車線変更して

前の車を追い越そうとしたところに、真ん中の第2通行帯をポルシェが猛スピードで突っ込んできて追突という事故。

 

左端の昭和シェル石油のタンクローリーはこの区間の制限速度80㎞/h以下で走行していただろう。

 

危険物を積載した昭和シェルのタンクローリーが80㎞/h以上で走行など私は見たことが無い。

 

そのタンクローリーの横を追突された車がゆっくりと追い抜いていくが、速度差は10㎞/hも無いだろう。

 

制限速度を大幅に超えるわけでも、下回るわけでもなく、常識的な速度で安全運転をしていたことがわかる。

 

そして、追突された車の後ろを走行していたトラックが右端の車線に車線変更して追い越そうとするが、このトラックも通常ならリミッターによって90㎞/h程度しかスピードが出ないはずだし、トラックなので機敏な動きはできない。

 

ネット上ではこのトラックが車線変更したからポルシェが先を塞がれて真ん中の車線に突っ込んできたのでは?などと言う意見もあるが、サイドミラーを確認せずに車線変更などあり得ない。

 

車線変更前の確認時では相当遠くにポルシェが見えていて、ポルシェが常識的な速度で走行していると想定すれば、追いつく前に追い越しができると考えたのだろう。

 

ところが、誰もが思いもしない想定外の非常識で悪質なほどの速度でポルシェが走行していたものだから、車線変更した時にはポルシェが追いつき、そのまま真ん中の車線に突っ込み前を走行していた乗用車を避けきれずに追突となったのだろう。

 

そもそも、トラックが前の車を追い越すために右端に車線変更したのだから、真ん中の車線にも車が走行しているのは、免許を取得しているドライバーなら容易に想像できる。

 

しかし、ポルシェはトラックが追い越しのために車線変更した後の真ん中の車線に突っ込んできた。

 

これは、真ん中の車線にも車が走行していると思えなかったのか、スピードが出過ぎていて避けきれずに真ん中の車線に突っ込んだのかのどちらかだろう。

 

どちらにしてもバカとしか言いようがない。

 

そもそも、ポルシェが誰もが思いもしない速度で走行さえしていなければ、誰もが想定していたように事が進み、事故など発生しなかった。

 

 

 

交通事故のほとんどは、周囲の人たちにとって想定外のことをすることで起きているはずだ。

 

道路交通においては、自分一人が分かっていればいいものではない。

 

自分が速度250km/h以上で走行していれば、メーターを見れば自分は分かるだろうが、他の車はそんなことわからない。

 

分かっても、あの車速いな、遅いな程度でしかない。

 

まさか、自分の車の3倍ものスピードで接近してくるなどとは考えられないだろう。

 

自分では時速何キロで走行していると分かっていても、周囲は分からず想定外なのだと認識すべきだ。

 

 

 

この「周囲は分からず想定外」というのが重要で、これが事故の元となる。

 

これはスピードに限ったことではない。

 

自分はウインカー表示を出したつもりでも、周囲にそれが伝わっていなければ、周囲にとっては想定外になるのだ。

 

隣の車線のドライバーからは見えない位置でウインカーを出し車間もあけずに前に入り込むバカが居るが、こういうバカにとっては「自分はウインカーを出したのだから問題ない!」と上っ面だけで判断するのだろう。

 

しかし、ウインカーは出せばいいわけではない、周囲に伝わらなければ意味が無い。

 

そのために、隣の車線のドライバーに見える位置まで前に進んだ所でウインカー表示を出し、相手に伝わったと思ったところで車線変更するわけだ。

 

相手に伝わったかどうかなど気にもせずに、ウインカー表示出したから車線変更していいなどと考えているようでは、自分のことしか考えないバカですと宣言しているようなもの。

 

 

 

夕方薄暗くなってもライトを点灯しないのも、人によっては「自分は見えてるから大丈夫」などと考えているのだろう。

 

お前が見えていても、周囲が存在に気付いていなければ意味が無い!

 

お前がすべての車や歩行者を避けながら走ってくれるならいいが、そんなことできまい!

 

薄暗くなったら早めにライトを点灯し、自身が気を付けるのはもちろん、周囲にも自車の存在に気付いてもらい気を付けてもらう。

 

お互いに気を付けあって交通事故発生確率をゼロに近付けるわけでしょ?

 

自分一人で交通や安全が成り立っているわけではなく、周囲の人たちの気付きや気を付けもあって成り立っているのだと分からぬものか??

 

 

 

ウインカーを出せばいいとか、自分が見えていれば大丈夫とか、どうも最近は自分のことばかり、上っ面ばかりの人が増えているように思う。

 

上っ面ばかりで、それが何のためなのか?という中身を考えようとしない。

 

世の中、頭を使わなくなっている。

 

頭を使うとしても、自分のことだけという狭い範囲でしかない。

 

自分の発言や行動が周囲のどれだけの人にどれだけの影響を与えるのかを、自身の頭を使って考えない人が増えているのだろう。

 

身勝手な運転による交通事故や、根拠もないのに誹謗中傷する人たちや、先日の大阪府知事のうがい薬の件などなどから、世の中そうなっているのではないかな?と思っています。