7月22日から部分的に開始される「Go To キャンペーン」。
感染予防対策をしっかりと実施したうえで実施するというのが現時点での政府の意向だが・・・
感染予防対策がしっかりとできていないから「夜の街」でも、最近では「昼の街」でも感染者が増えているのではなかろうか?
それに、宿泊施設や観光施設側でどれだけ感染予防対策を実施しても、来訪する観光客たちが感染予防に無頓着では意味が無い。
宿泊施設、観光施設側と来訪する観光客の双方がともに最大限の感染予防対策をしなければ効果は発揮できない。
最近の感染者増を見ていると、
看護師が夜通しのカラオケなどで感染とか、
発熱しているのに出勤とか、
発熱してPCR検査を受けたのに結果を受ける前に東京から山梨に移動とか、
多人数での会食で複数人が感染とか、
ライブハウスでの集団感染で大変な思いをしたのに小劇場で集団感染とか、
3月から5月の間に経験してきた失敗例を再び繰り返している状況だ。
こんな状況下で観光客側の感染予防対策が十分に行われるのだろうか?
そりゃ、今でも日常において、手洗いの徹底、人前でのマスク着用、外食を控えたり、外食時には細心の注意を払っている人も大勢いるだろう。
そういう人たちだけが観光客として「Go To キャンペーン」を利用して旅行する分にはそれほど危機感を感じないが、得てして、普段から気を付けている人ほど、「『Go To キャンペーン』があっても、今は旅行を控えようかな・・・」と考えるものだろう。
ウイルス感染対策が普段からしっかりと出来ている危機感の高い人ほど、「Go To キャンペーン」があっても旅行を控えがちになり、ウイルス感染対策などしなくても今まで感染していないのだから平気だろうと考えている危機感の低い人ほど、「Go To キャンペーン」で安くなるからと旅行に積極的になる。
しかも、特別定額給付金を一律に給付していることにより、経済的に困っている人はそれを旅行などには使わないが、困っていない人は旅行や夜遊びに使えてしまう。
危機感が低く、感染予防対策を軽んじ、経済的に困っていないうえに10万円の給付金を得た人が、「Go To キャンペーン」を利用して感染予防をおろそかにしたまま存分に動き回るというのが、「Go To キャンペーン」の実態になりそうな気がしてならない。
私自身も旅行好きなので、「Go To キャンペーン」は楽しみだったし、どこへ行こうなどと想像していたりもしたが、感染者が増えている埼玉在住なので、今でも外出を控えており、今年に入り風邪の症状など一度もない状態だが、「Go To キャンペーン」を利用して旅行に行くという具体的な計画も考えも無い。
私自身は感染予防策を今でも緩めていないが、埼玉ナンバーの車で他県へ旅行すれば他県の人は不安に思うだろうなと考えたり、「Go To キャンペーン」で観光客が増えれば、当然、感染対策をおろそかにしている人や無症状感染者に近付く機会も多くなるし、中には予定していた旅行だからと発熱があっても旅行している人にも出くわすかもしれないと考えれば、やはり控えておこうという方向に考えてしまう。
やはり、危機感が低く、感染予防を軽んじていたり、感染予防に無頓着だったり、他者への感染予防など考えない感染確率の高い人ほど、そのままの状態で旅行に行くだろうし、「Go To キャンペーン」で世の中が旅行OKという雰囲気になれば、そういう人ほど感染予防をおろそかにしたまま、より活発に動き回る。
そして、危機感が高く、今でもしっかりと感染予防に取り組み、他者への配慮も怠らない感染確率の低い人ほど、「Go To キャンペーン」があっても旅行を控えてしまう。
何という矛盾だ・・・
でも、単なる矛盾だけでは済まない。
危機感を正しく持ち感染予防を緩めておらず、それゆえ現時点で感染している可能性の低いという人ほど旅行を控え、危機感を持たず感染予防を緩めており、それゆえ現時点で感染している可能性の高いという人ほど旅行で動き回ってしまうということは、「Go To キャンペーン」が感染拡大という炎に酸素を送り込むポンプ役になってしまうということだ。
「Go To キャンペーン」をやめろとは言わないが、実施するタイミングが適切なのかを再度考え、延期するなら観光業維持のための直接的な経済支援を予備費から実施するなど検討すべきではなかろうか?
観光業への経済支援を実施しながら、感染拡大が収束へ向かわない限り「Go To キャンペーン」は実施しないというように、「飴と鞭」ではないが、「Go To キャンペーン」の実施を延期することで再度国民に危機感を持たせることも必要だと思う。
今のところ日本政府の政策は緩める一方で来ているが、緩めたり締めたりを繰り返しながら緩める方向へという微妙なコントロールを実現できないようでは、今後も続くであろう新型コロナウイルスの感染拡大をコントロールすることもできないだろう。
せっかく「Go To キャンペーン」を利用して旅行に行くなら、感染者の多い埼玉から来ているという後ろめたさを感じずにスッキリとした気分で旅行に行きたいものだ。
と、思う人は、たぶん、今でも感染予防に取り組み、気を緩めていない人なのだろう・・・
そういう人にとって「Go To キャンペーン」は利用しづらく、そうでない人は気にせず「Go To キャンペーン」を利用するという、何とも言いようのない不公平感も感じてしまう。