最近インターネットでニュースを見ていたら、「クラウド蓮舫」という言葉が度々目に入り、「蓮舫議員が新しいシステムでも立ち上げたのか?」と思って調べてみたら、かつてあった「USB」を知らないで話題になった議員と同レベルという話のようだ。

 

かつてあったUSB問題

日刊スポーツ 「サイバーセキュリティー担当、桜田氏はUSB知らず」

 

 

 

システム管理をしていた私としては、この「USBジャック」という言葉に馴染みがない。

 

SEさんやCEさんたちも「USBポート」と言うことが多かったので、人によっては「USBポート」は知っていても「ゆーえすびーじゃっく?」と思った人はいたかもしれない。

 

「USBジャック」、「USBポート」、「USBコネクタ」は通常同じものを指して使われることもある言葉で、言わば、どれも並列の関係だが、「サーバ」と「クラウド」は同じようだが、通常、同一のものとして使われる言葉ではない。

 

「クラウド」は「サーバ」によって構築されるのであって、「クラウド」と「サーバ」は並列の関係ではない。

 

「クラウド蓮舫」とは、国会の予算委員会で立憲民主党の蓮舫議員が、「サーバーは増やすんじゃなくて、時代はもうクラウドなんですよ」と発言したことで、サーバとクラウドの違いをわかっているのか?という疑問を抱く人が多く発生したということらしい。

 

毎日新聞 「『クラウド蓮舫』が話題に マイナンバーカードの質疑で 参院予算委」

 

 

 

 

記事によると、

マイナンバーカードのシステムは、一律10万円の「特別定額給付金」の申し込みのため暗証番号発行の手続きをする人が急増し、サーバーに負荷がかかって障害が起きていた。

この障害を回避するために、

高市早苗総務相が障害の解消のためシステムを管理している「地方公共団体情報システム機構(J―LIS)」のサーバーを増強すると説明。

これに対し、

蓮舫氏が「時代はクラウドだ」と訴え、「問題はどこにあるか確認して予算を付けるなら分かるが、(システム関連会社に)言われたままお金を支払っている」と批判した。

とのこと。

 

「問題はどこにあるか確認して」とあるが、「サーバに負荷がかかって障害が起きていた」とあるので、サーバへの負荷なのでは?

 

確かに、サーバ本体の問題なのか、サーバへのネットワーク回線の問題なのかという切り分けは必要なので、サーバの問題なのか、ネットワーク回線の問題なのかを確認したのか?という指摘なら正しい指摘になるが、システム管理上、その切り分けは当然行っているはずだし、クラウドを持ち出す意味がわからない。

 

何を根拠に「言われたままお金を支払っている」と断言しているのかもよくわからない。

 

そして、ネット上で話題になっている「クラウド蓮舫」の部分が、この「時代はクラウドだ」と主張した部分。

 

「サーバーは増やすんじゃなくて、時代はもうクラウドなんですよ」という発言から、サーバ増強せず、クラウドを利用しろという主張なのだろうか?

 

毎日新聞の記事では、

蓮舫氏の発言は「民間企業のクラウドサービスを利用すべきだ」という趣旨だったとみられ、ツイッターなどでは擁護する声も相次いだ。

とあり、どちらかというと反安倍政権の毎日新聞としても蓮舫議員を擁護したいのだろうが、

 

それにも無理を感じる。

 

なぜかと言うと、これまで散々情報漏洩の可能性を指摘し、マイナンバー導入やその活用に批判ばかりしていた蓮舫議員が、マイナンバーという国民の個人情報を外部の民間のクラウドサービスでやれと主張するだろうか?

 

民間のクラウドサービスは多くの利用者がサーバを共用していることがほとんどだ。

 

その分、外部からの侵入もしやすいと言える。

 

マイナンバーという全国民の個人情報をクラウドサービスで??

 

散々情報漏洩を指摘しておいて、それはないでしょう!

 

このことからも、「民間企業のクラウドサービスを利用すべきだという趣旨だったとみられ」などと擁護する方もどうかと思う。

 

擁護する前に、マイナンバーという全国民の個人情報を民間企業のクラウドサービスに乗せた場合の情報漏洩の危険性については指摘しないのか?

 

もう、主張が滅茶苦茶!

 

常に「批判」ありきで主張したり、「擁護」ありきで主張したりと、主張に筋が通っていないから、こんな滅茶苦茶な内容になるのだ。

 

毎日新聞社がしっかりと物事の本質を見ていない証拠だ。

 

 

 

記事の最後にも、

行政機関では近年、運用コストの削減やセキュリティー対策の強化のため民間企業が提供しているクラウドサービスを利用する例が増えており、蓮舫氏はこうした傾向を踏まえて「自前のサーバーを増やすべきではない」と主張したかったとみられる。このため、ネット上では「蓮舫氏は間違っていない」「言葉足らずだったのでは」といった指摘も相次いだ。

とあるが、

 

住民票や戸籍謄本など、個人情報を扱うシステムをクラウドで行っているだろうか?

 

個人情報を扱わない部分ではクラウドサービスを利用しているかもしれないが、少しでも個人情報を扱うものに関してはクラウドサービスを利用はしないと思う。

 

 

 

この「クラウド蓮舫」については、

 

蓮舫議員が「クラウド」を理解していなかったか、マイナンバーという国民の個人情報を外部のクラウドサービスに任せろと主張したのかのどちらかでしょう。

 

後者だとしたら、これまでのマイナンバーに対する情報漏洩の指摘、批判とは真逆の主張になるが、マイナンバーの情報を外部の民間のサーバに入れておいていいの?という疑問が残る。

 

前者だとしたら、「批判したいばかりに、不勉強なまま出しゃばった」ということになる。

 

どちらにしても、行いに筋が通っていない!ということになるだろう。

 

それを擁護しようとする者も、本質を見失っていると言えよう。

 

いくら自身が支持している人だとしても、これまでの主張と相反する部分や間違いに対しては、無理な擁護などせずにしっかりと指摘すべきだ。

 

間違いを正さない、不正を正さない者が、山口県田布施町役場のように、不正を正そうとした内部告発者を虐げるようなことをするのでは?

 

相手によって態度や主張を変える人間は信頼できないし、嫌いだ!

 

 

 

ちなみに、私はクラウドサービスは好きではない。

 

利用していたら、突然サービス終了したり、突然他社と合併してサービス内容が変わったり、使いづらくなったり、突然利用料金が値上げされたりと、安定的に利用できない。

 

それに、パソコン内部である程度処理しておいて定期的に通信するクラウドサービスなら影響は小さいが、通信障害などで通信ができないとまったく利用できないものが多いので、そういった面においても不安定だと感じる。

 

さらに、まれにではあるが、クラウドサービスのサーバで障害が発生しデータが無くなることもある。

 

なので、あまり重要なことには利用しない。

 

ある日突然サービスが終了しても、通信障害で突然利用できない状況になっても困らない程度のことにしか利用していない。

 

これも危機管理のひとつ!