「マスクの配布が遅い」、「特別定額給付金の支給が遅い」、「持続化給付金の支給が遅い」など、遅い遅いという批判が多い。

 

批判ばかりしていても何も変わらない。

 

なぜなら、日本には迅速に対応するための仕組み自体がそもそも無いのだから。

 

 

 

国民個人への配布や給付を迅速に行ううえで必要となるのは個人の特定だ。

 

対象となる個人の存在確認、状況確認、住所や口座番号などの情報確認が必要となる。

 

マスクの配布には、対象者がどの住所に存在しているのかという情報が必要。

 

給付金の支給には、対象者は誰なのか、その人は本当に実在するのか、どこに実在していて、申請された住所や口座番号が本当にその対象者のものなのかという確認をしなければならない。

 

残念ながら日本政府は、それらの情報を正しく把握しきれているとは言えない状況にあるのだろう。

 

マスクを配布するにも、住民基本台帳上では誰がどの住所に住んでいるかはわかっても、実際に今現在その住所に住んでいるかは不確かだ。

 

国民が転居の際などに正しく手続きをしてくれていれば、という前提条件が必要になる。

 

給付金の支給についても、対象者かどうかの判定、対象者の住所と口座番号が本当のものなのかの判定を役所の職員が手作業で行わなければならない。

 

実は、昭和から進歩していない国と言っていいくらい、日本はITを活用できていない国なのだ。

 

技術はあっても、それを活用できていない国、日本。

 

 

 

その原因は、政府だけのものではない。

 

マイナンバー導入でさえ、デメリットばかりを取り上げて批判ばかりし、なかなか前に進もうとしなかった国民の考え方にも原因があると思う。

 

便利なものにも何かしらのデメリットがあるのは当然のこと。

 

自動車は便利に移動できるが、事故も発生する。

 

ハサミは便利に切ることができるが、手を切ることもある。

 

メリットだけで存在している物事は無いだろう。

 

あったとしても、それは見えていないだけで、見る角度によってはデメリットが存在しているものだ。

 

日本国民はプライバシー保護や個人情報漏洩を防ぐというメリットのために、マイナンバーを受け入れようとしなかった。

 

その結果、今、マスクの配布、給付金の支給に昔ながらの手間が必要となり、国民が望むような速度で事が進まないというデメリットに遭遇しているわけだ。

 

 

 

国民が進んでIT分野に慣れるよう学習し、とっととマイナンバーを導入し受け入れ、当たり前のように活用できていたなら、台湾や韓国のようにマスクが国民全体に行き渡るよう配給制にできたり、ドイツのように申請した翌日には給付金が振り込まれたりという社会になっていただろう。

 

今、特別定額給付金の申請に不備が多いため、郵送での申請を促す自治体もあるというが、その不備というのはシステム的な不備ではなく、申請する側の不備だろう。

 

マイナンバーカードを既に取得し、確定申告でも使用していた私は、何の問題もなくパソコンから申請できた。

 

パソコンやデータの取り扱いに慣れていない国民が多いから、申請に不備が多くなり、郵送でしてくれとなるわけだ。

 

マイナンバー導入に後ろ向きで、IT分野に慣れるよう進んで学習もしないとなれば、たとえマイナンバーを使ったシステムが他国のように存在していたとしても、無意味ということだ。

 

IT分野に慣れておらずオンラインでの申請に不備が多いのも政府の責任?

 

政府だけの責任にするのではなく、新しいこと、前例のないことに対してデメリットばかりを指摘する国民性も原因であると認識し、今後は他国をうらやみ、自国の政府だけに責任を負わせるのではなく、国民自ら積極的に学習し、新しいこと、前例のないことにも立ち向かえるようになるべきだ。

 

 

 

テレビの情報番組などでコメンテーターが、「他国にできて、なぜ、日本でできないのか!」などと批判しているが、他国は国民もデメリットを承知のうえで受け入れて日常化されていたからできるのであって、日本は国民がデメリットばかりを気にして受け入れず日常化されていないからできないのだとわからんのだろうか?

 

何でも政府の責任にするのもどうかと思う。

 

そもそも、その政府を作るのも国民のはずなのだし。

 

他国と同様にマスクの配布や給付金の支給を行いたい、行って欲しいのであれば、もっとマイナンバーを積極的に活用すべきと主張してはどうか?

 

問題点があるなら、その問題点を具体的にどのように改善すればよいのか、他国はどのようにデメリットに対処しているのかなどを取材するなどして報じ、そのうえで積極的に活用する方向へ進むよう国民を扇動すればよかろう。

 

新型コロナウイルスの不安を煽るような報道ばかりしてないで、日本が遅れている部分を少しでも進ませるような煽りでもしてみてはどうか?

 

 

 

Wikipediaの「国民識別番号」というページを見て、他国に比べ日本がどれだけ遅れている先進国なのか、本当に先進国?なのかを学習してみましょう!

 

デメリットばかりをつまみ上げ、ケチばかりつけている場合ではないと思えるはずだ。

 

そんな悠長なことをしているから、世界との差がこれほどまでに広がり、マスクの配布が遅れたり、給付金の支給を手作業で確認するといった昭和時代と変わらぬ状態になってしまうのだ。

 

デメリットがあっても、それを承知のうえで受け入れ、進みながらデメリットを最小化していくという考え方に国民が変わらねば、結局は、今のように国民が困ることになる。

 

これこそ、「他国にできて、なぜ、日本にできないのか?」だ!

 

 

 

他国を知らぬ、知ろうともしない不勉強な国民も問題だし、他国の状況を正しく報じようとせず、国内の問題点ばかりを批判する報道も問題だ。

 

他国を正しく知らないと日本国民が損をするし、無駄な批判ばかりでストレスがたまるだけだ。

 

まずは正しく知ること!

 

そうすれば、国民による「配布が遅い」、「支給が遅い」という批判が正しい批判なのか、政府だけが原因なのか、マスコミの報道や批判が正しいものなのか、捻じ曲げられたものなのか、捏造なのかの見極めもできるようになってくるはずだ。

 

 

 

しかし、オンラインで申請しても、その確認作業は人力とは・・・

 

しかも、オンライン申請に不備が多いとは・・・

 

政府も社会も国民もどれだけ遅れているのだろう