PCR検査数を増やすことが正義かのように、「検査、検査、検査」と明確な根拠も示さずに叫ぶ者がいる。
バカの一つ覚えのように「検査数を増やせ」と主張し続け進歩が感じられないどころか、大した取材もせずに厚生労働省は何もしていないとか、保健所は土日に休んでいるなどと嘘の報道をしていたため視聴を控えていたテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」だが、未だに明確な根拠なしに同じことを叫んでいる。
Yahoo!ニュース 「青木理氏、PCR検査の拡充が進まず『明らかに政府が無能だからだと思いますよ』」
PCR検査の拡充が進まないことに対し、コメンテーターの青木理氏が
「あえて言いますけど、たかが検査なんですよね。初の感染確認から4か月。WHOの事務局長が検査、検査だと言ってから2か月近く。首相が検査2万件にするんだと言ってから、もう1か月くらいたって」と切り捨てた。
たかが検査なら「検査、検査、検査」と検査数に拘るな!と言いたいところだが、
そもそも、「たかが検査」とPCR検査に対する認識が間違っているから、「検査、検査、検査」とバカの一つ覚えのように叫ぶのだなと納得した。
PCR検査は薬物検査のように試液を垂らして色が変わったらどうのこうのという検査ではない。
検体の採取、検体の扱い、PCR検査の技術、経験に結果が大きく左右される検査だ。
アルバイトを雇ってできるような部分は運搬くらいだろうか?
もしかすると運搬にも相当の注意が必要かもしれない。
検体の採取方法によってはウイルス感染しているのにウイルスを検出できない場合もある。
検体の扱いが不適切で、本来陰性の人が陽性にされたり、陽性の人が陰性にされたり、検査で検出できなくなったりもする。
実際に民間の検査機関でそのような事故が既に数件発生している。
そしてPCR検査の技術においても、陰性の人の検体がウイルスで汚染されるなどの手違いが起きたり、検査技師の練度によっても検査結果の精度が変わってくるものだ。
こういった部分を青木理氏はしっかりと取材をしているのだろうか?
PCR検査数を増やすには、PCR検査に携われる人員を育てなければならない。
今すぐに検査数を2万件にする、4万件にするなどと言われても、現場においてはそう簡単に実現できない実状があるのだと、なぜ考えられないのか?
これまで、今ほどのウイルスの蔓延が無かった日本において、対応できるほどの人員と機材が無いのでは?と考え取材してみてはどうか?
人員も機材も余るほどあるのに、PCR検査数が増えないのであれば、それこそ、どこかに問題があるのだろう。
ジャーナリストなどと名乗っているのに、なぜ、取材をして、その結果を明確な証拠とともに報じないのか?
私には、ジャーナリストを名乗る青木理という存在自体が理解できない。
大した取材をせずに自分勝手な感覚だけで、なぜ、コメンテーター、ジャーナリストなどと名乗り、テレビという影響力のあるメディアで語れるのだろう??
「会見で少し出てましたけど1000人当たりの検査数がドイツの14分の1、韓国の6分1、それからOECD、先進国クラブの10分の1ですよ」
なぜ、他国と同じにしなければならないのか?その根拠を私は知りたい。
他国が正しいとは限らないし、他国が成功しているとも思えない。
PCR検査を多く実施すれば、感染者数を少なくできたり、感染拡大を止められたり、死者数を少なくできるのであれば、そりゃ、より多くPCR検査すべきだと私も叫ぶことでしょう。
しかし、PCR検査数が多いからとて、感染者数が少ないわけでもなく、死者数が少ないわけでもなく、PCR検査で感染拡大を止めたという国があるわけでもない。
なのに、なぜ、衛生管理、生活様式、気候、人口密度、国民の意識などなど、あらゆる事柄において異なる国同士が、他国と同じにせねばならないのか?
その根拠を証拠とともに国民に示しながら主張すべきであり、明確な根拠を示さず、他国と比べて少ないと国民の不安を煽り、検査を受けたい人が受けられないといった国民の不安に付け込む、国民の不安感に乗じたような主張の仕方は間違っていると思う。
そりゃ、存分に検査できるに越したことはないが、他国は本当に存分に検査できているのだろうか?
調べてみると・・・
■ドイツ:人口8,315万人
⇒検査数(実行された検査の数)2,547,000件
⇒感染者166,152人
⇒死者6,993人
検査件数を人数と仮定しても全人口の3%ほどに検査実施、実際は1人につき複数回検査するため、それ以下だろう。
■韓国:人口5,185万人
⇒検査数(検査されたケースの数)630,973人
⇒感染者10,804人
⇒死者254人
「検査されたケースの数」の意味が詳細不明だが、人数と仮定しても全人口の1.22%ほどに検査実施。
■イタリア:人口6,046万人
⇒検査数(検査した人数)1,456,911人
⇒感染者211,938人
⇒死者29,079人
全人口の2.41%に検査実施。
■フランス:人口6,698万人
⇒検査数(実行された検査の数)724,574件
⇒感染者169,583人
⇒死者25,204人
検査件数を人数と仮定しても全人口の1.08%ほどに検査実施、実際は1人につき複数回検査するため、それ以下だろう。
■台湾:人口2360万人
⇒検査数(検査数か検査人数か不明)64,094件
⇒感染者438人
⇒死者6人
検査件数を人数と仮定しても全人口の0.27%ほどに検査実施。
■日本:人口1億2,616万人
⇒検査数(検査した人数)184,586人
⇒感染者15,078人
⇒死者536人
全人口の0.15%に検査実施。
検査数が多いドイツでも全人口の3%、それも検査数なので、1人に複数回検査していればもっと低い値だろうし、韓国も1%台、検査人数が680万人と多いアメリカでも2.07%だし、全人口の2.79%に検査しているロシアでは感染拡大が止まるどころか急速に拡大している。
全人口の数%の検査では無症状感染者を捕まえる網としてはあまりに小さく、結局、ロシアのように検査数は多くても感染拡大は急速に進むという状況になっている。
また、同じく検査数が多いドイツでも、結局、感染者数、死者数ともに日本よりも多い。
※当然、今後、日本国民が羽目を外してしまえば、ドイツの感染者数、死者数を超える可能性はある。
韓国についても、日本のメディアでは「大量検査」などと報じられていたが、全国民の1.22%に過ぎないし、検査以上にマスクの配給や感染者の追跡調査の方が効果的だったとも考えられる。
よって、PCR検査が感染者数、死者数、感染拡大の速度などに多大な影響を与えているようには思えない。
国民番号制やGPSでの追跡調査が徹底できている韓国を除く他国との比較において、現状の日本が他国同様のPCR検査数にしなければならない理由は見当たらない。
理由があるとすれば、早期発見、早期治療、不安解消だろうが、無症状感染者は無症状ゆえ検査を受けようとも思えないし、早期治療しようにもアビガンくらいしか投与できる薬は見当たらない、そのアビガンだって多少のリスクは残っているし、投与しても亡くなる事例もある。
どちらにせよ、アルバイトを雇ってできるような検査ではないので、今すぐに検査数を増やせと言われて増やせるものとは思えない。
増やせと主張する前に、日本におけるPCR検査の実状と、増えない、増やせない理由、原因を探るのが先だ。
どんなに金があっても、どんなに強く批判しても、そもそもの人員と機材と体制が無いのであれば、金は使いようがないし、批判は雑音でしかない。
「今になって秋冬に、秋冬にって言ってますけど、検査がこれだけ増えないというのは、目詰まりと安倍さんおっしゃってましたけど。ごめんなさい、僕は明らかに政府が無能だからだと思いますよ」
政府が無能だとすれば、それは大臣ではなく、省庁の問題だろう。
政策、法案、予算案、大臣の答弁に至るまで、実は省庁の官僚が作成している。
大臣が政策、法案、予算案を考え決めているわけではなく、大まかな指示を出す程度というのが実状だろう。
おそらく、国内でPCR検査数に対する批判が多いことは安倍首相も知っているはずで、だとすれば、官僚に対し検査数が増えるよう指示を出しているはずだ。
国民からの批判を無視して官僚に指示を出さない理由は無いだろう。
そんなことをすれば支持率や今後の選挙に影響するのは誰もがわかっている。
安倍首相がいじわるをして検査数が増えないようにしているわけでなく、どれだけ指示しても今の官僚組織、日本の医療体制においては限界で容易に実現できないと考えるのが筋だろう。
青木理氏がジャーナリストと名乗るのであれば、そういった部分を取材し明らかにするのが本来すべきことだろう。
そういった部分に注力せず政府批判ばかりしている時点で、ごめんなさい、僕は明らかに青木理氏がジャーナリストとして無能だと思いますよ。
以前から言っているが、私は、
感染拡大を止めるには、マスク着用率を100%近くに維持して飛沫感染を防ぎ、手を洗うまでは顔を触らぬよう徹底し接触感染を防ぐ!
感染者に対して適切な対処療法を施せるよう、医療機関への物資の供給と体制強化!
これを基本としつつ、できる限り外出を控え、人との接触機会を減らす!
日本でできる範囲としてはこれが最善だと考える。
PCR検査では感染拡大は止められないし、PCR検査の精度は100%ではないし、PCR検査で治癒するわけでもない。