日本の緊急事態宣言が諸外国に比べて腑抜け状態なのは、結局、政府に強い権限を与えたくなかった国民がそうさせたようなもの。
未だに自粛要請にすら文句を言う者もいるし、もっと厳しく制限すべきだと批判する者もいる。
主な国で自粛要請程度でとどまっているのは、韓国と台湾くらいで、欧米諸国は軒並み外出禁止令が出ている。
外出自粛要請程度の韓国や台湾にしても、その他の面で国民に制限をかけたり、国民をコントロールしている。
日本くらいなものだろう、国家の権限で実質的な制限もせず、国民の自由判断に任せているのは。
日本国民はこれを、自由を重んじる民主主義国家として世界に誇ればよかろう。
なぜ、日本政府に文句を言うのか理解できない。
だって、国民が政府に権限を与えたくないからこうなったわけでしょ?
法整備するときに散々批判していた結果が、この程度でしかない緊急事態宣言にしてしまったのだ。
政府に強い権限が無く中途半端なことしかできないことで収束が長引けば、結局は国民が苦しむことになる。
給付金を一律に素早く支給しない理由を与えたのも、結局は、前回の定額給付金の際に政府が意図する使い方を国民がしなかったからでしょ。
経済のために使わず貯蓄に回してしまい思ったような効果を得られなかったという言い訳を政府に与えてしまったのは国民だ。
先行きが不安だから貯蓄してしまうのだという反論もあるだろうが、その結果、政府に言い訳を与えてしまったのは事実だ。
今思えば、まぁ、そうなるよなと思える。
経済を回すための定額給付金を政府が意図するような使い方をせず貯蓄に回してしまえば、支給する方としては次回はもうしないとなる。
親が子供に参考書を買うためのお金を渡したのに、子供が勝手にゲームを買おうものなら、親は、「もうお金は渡さないからな!」となるのと同じだ。
前回の定額給付金の時に、国民が先のことも考え、今後も同じようなことが起きることを想定して、政府が意図する経済のためにしっかりと使っていれば、今回もスムーズに支給したかもしれない。
とは言え、前回は経済のため、今回は生活のためなので、財務省が同列に考えるのもどうかと思う。
早期に的確に支給すべきだが、早期にできないなら、第一弾として一律に給付するのもやむを得ないのでは?とも思う。
やはり、国民が政府に言い訳を与えてしまったのは失敗だったと言えよう。
政府に一律支給できない言い訳を与え、実際の支給が遅くなればなるほど、結局は国民が苦しむことになる。
各世帯の状況に合わせて早急な給付ができなかったり、韓国や台湾のようにマスクを国が管理し配給するようなシステムが無いのも、結局は、マイナンバーさえも嫌い批判ばかりして受け入れを拒否し続けてきた国民がそうしたようなもの。
マイナンバーがもっと早期に完成し生活のそこかしこで活用されていれば、給付金の支給やマスクの配布も容易にできていただろう。
個人情報漏洩やプライバシー保護ばかりを気にし過ぎ、完成と普及と活用を遅らせた結果、韓国や台湾に後れを取ったわけだ。
韓国では、感染者の判明を感染者がどこの店に立ち寄ったかなどの詳しい情報とともに周辺住民に通知されているようだ。
周辺住民はその通知をもとに危険性を感じられる場所を避け、感染を予め防ぐことができるというわけだ。
当然、個人のプライバシーはある程度政府に握られてしまう。
しかし、多くの人の感染を防ぐ効果と比較したらどうなのか?
韓国国民はそれを比較し納得したうえで、そのシステムを便利に活用しているということだ。
台湾でもマスクをほぼ配給制にしており、誰が何枚購入したのかなどを把握している。
こういったことも、健康保険証すら電子化、統一化できておらず、マイナンバーも活用できていない日本では不可能だろう。
台湾のマスク管理については、東洋経済オンラインの「大混乱を回避、台湾の知られざる『マスク事情』」に詳細が書かれている。
全体を広く客観視してみると、結局のところ
政府が強い権限を持つことを嫌い、政府が意図したのと違う行動をし、個人情報やプライバシーばかりを考えマイナンバーすら突っぱねていたことで、緊急時に他国と同じようなことができない国にしてしまった。
権限は持たせる持たせないではなく、正しく使う、正しく使わせることを重視するべきだった。
個人情報やプライバシーのことばかりでなく、多少の個人情報を与えたり、多少のプライバシーを知られても、全体として得られるメリットがどうなのかを重視するべきだった。
と、私は思う。
そもそも、政府が権限を不正に使おうものなら、司法や選挙で引きずりおろせばいいわけだし、個人情報やらプライバシーだって、既に電話帳や名簿などで氏名、住所、電話番号、生年月日くらいは世の中に漏れ出ているわけで、プライバシーだって、まともな生き方をしていて、知られて困るようなことってそんなにありますか?
過剰なほど、政府に対する不信感、世の中に対する不信感を持つわりに、他国の状況を知ろうともせず、危機意識も低いという日本国民が不思議でならない。
私も日本人の両親から日本で生まれ、日本で生活している日本国民ですが、日本国民が異様に思える。