「ドイツは大量検査により早期発見しているから致死率が低い」という報道があるが、本当なのだろうか?
早期発見ということは、無症状だったり軽症ということなのだろう。
しかし、無症状や軽症者に対し施す治療は「安静にしていてください」と声をかけてあげるくらいのはずだ。
大量検査による早期発見ではなく、重症者に対する適切な治療を施せているから致死率が低いというのが正しいのではなかろうか?
WHOも「検査、検査、検査」と大量検査で感染者を発見、隔離することを強く主張しているが、私はやはり検査では後手後手だと主張したい。
ウイルス検査で感染者を見つけ隔離し感染拡大を止めるのであれば、国民全員を一斉に検査しない限り100%に近い効果は得られない。
無症状や軽症の場合、感染していても「陰性」になってしまうことがあるし、感染していて39度の発熱があっても「陰性」になった事例もある。
それに、検査が済んでいない感染者が街中にいれば、検査を受けて「陰性」だった人が数分後に感染する可能性だってある。
10人しかいない国なら、10人を一斉に検査し、その時「陽性」だった人が3人だとしたら、その3人を隔離すれば残り7人は安全だ。
1億人の国なら、1億人を一斉に検査し、その時「陽性」だった人が10万人だとしたら、その10万人を隔離すれば残り9990万人は安全だと言えるが、実際、1億人を一斉検査なんて不可能だ。
なら、地域を分けて実施する?
今日は北海道を一斉検査し、感染者を見つけて隔離。
明日は青森県を一斉検査し・・・としたとしても、他県から感染者が移動してきては意味が無い。
それに、検査の精度を考えると、1回の一斉検査だけですべての感染者を見つけ出すことはできないから、数回の一斉検査が必要になる。
ていうか、そもそも、都道府県単位でも数百万人なのだから、一斉検査なんて無理。
では、市町村単位でします??
全国の市区町村ごとの一斉検査が終わるのはいつになることやら・・・
このように、ウイルス検査で感染者を見つけ出し、感染者を隔離して感染拡大を止めるなんて、物理的に不可能なのですよ!
物理的に可能なのは、人々の移動や接触を止めることくらいだ。
ドイツでも無症状の人にまでウイルス検査などしていないはずだ。
つまり、感染していても症状が出ておらず感染に気付いていない人は隔離できていないということ。
だからこそ、大量検査をしているドイツでも、3人以上の集会を禁止したり、テイクアウト以外の飲食店の営業を禁止したり、州によっては外出禁止令を出すなどしているのだろう。
ウイルス検査は症状の原因を特定するためであり、感染拡大を止めるために実施しているわけではないということ。
感染拡大を止めるには人々の移動、接触を止めるしかないのだ。
厳密に言えば、感染者が他者にウイルスをうつさなければいいのだから、それさえ徹底できれば、移動や外出を禁止する必要はないということ。
それに近い状態を実現できるのが、マスク着用の徹底だったのだが、今はそのマスクが手に入らない。
欧米諸国よりも中国に近く、中国からの観光客も多い日本が、欧米諸国のような爆発的な感染拡大を抑えてこれたのは、日本人のマスク着用率の高さと手洗いの習慣だと思う。
マスクをしていたことで、感染していることに気付かないうちから他者への感染を防げていたはずだ。
マスクが手に入らない今、やむを得ずマスクをせずに外出している人が増えていることだろう。
こうなると、感染に気付いていない無症状や軽症の人からの感染が増えていくはずだ。
だからこそ、マスクの供給を・・・と訴えているのに、マスクの重要性が医療機関や介護施設までにしか及んでいない。
「症状が無いならマスクをする意味はない」というこれまでの考えを捨て、「症状が無いうちからマスクをしておく」という考えにならぬものか・・・
武漢だって、当初は誰もマスクなどしていなかったのに、マスク着用でなければ外出禁止にまでなった。
無症状の人もいるからこそ、外出時のマスク着用の徹底が爆発的な感染拡大抑止になると思うのだが・・・