正論だけが良い結果をもたらすわけではないと思う。
「マスクは感染を防ぐ効果が低い」、「感染している人、咳、くしゃみの症状がある人が着けるもの」というのは確かに正論だ。
しかし、その正論に反することをしていたことで、知らず知らずのうちに良い効果を得ていた、なんてこともあるのではないだろうか?
「自分が感染したくないから」という理由で、感染を防ぐ効果は低いと言われつつもマスクをしていたことで、知らず知らずのうちに自身が感染していたのに、他者に感染させることが無かった。
ということもあるのではないか?
そして、勘違いもあると思う。
飛沫は、咳とくしゃみだけで生じるわけではないということ。
普通に会話をしていて相手の唾がかかることは、誰もが一度は経験しているのではないだろうか?
当然、その人がウイルス感染していれば、咳やくしゃみではない、会話中の唾でも感染してしまう。
そのうえ、新型コロナウイルスは、発熱だけの人もいれば、無症状の人もいる。
感染していて無症状だとしても、感染しているからには体内にウイルスは存在している。
体内にウイルスが存在しているということは、会話中の飛沫にだってウイルスが存在している可能性はあるということだ。
自身が感染しておらず、咳、くしゃみが出ていない人も一様にマスクをしていたことで、このような無症状の人、知らず知らずのうちに感染していた人からの感染拡大を実は防いでいたとしたら、正論に則って症状が無いからマスクをしないということが本当に正しいと言えるのだろうか?
正論や常識を見直すことも必要なのではないか?
私がブログに直接書いたことは無かったと思うが、もう10年以上前、少なくとも東日本大震災よりも前、消えた年金記録問題の頃だったかもしれない、私個人の感覚というか予感というか予想というか、確固たる根拠は無いのだが、「これからの時代は『今まで通りにはいかない』というのがキーワードになるよ。」、「それは、年金や雇用などの社会的なことに限らず、世界情勢や地球環境などすべてにおいて。」と、車の中で友達に話したことがあった。
環境問題には高校時代から興味を持っており、学校の図書室で本を読み漁っていたので、日頃から、地球環境においては今まで通りにはいかなくなるなとは思っていたが、何となく、社会全体、世界全体がそんな風になる気がしたのです。
まぁ、時代が進むにつれてそうなるのは当然であって、私の感覚や考え、発言は何ら特別なことではないだろう。
ただ、地球環境が年々確実に悪化しているのに、人間の考えや行動は大きく変化していない。
状況は確実に変化しているのに、その変化に人間の考えが追い付いていない。
状況が変化し、常識も変化させるべきなのに、人間の頭は「今まで通り」を前提とし、「今まで通り」で進もうとしている。
そんなことを感じての「これからの時代は『今まで通りにはいかない』というのがキーワードになるよ。」だったのかもしれない。
その後、リーマンショック、東日本大震災、原発事故、本震を上回る余震、前例の無い台風被害、当たり前になった猛暑、今まで以上に悪化した日韓関係、ウイルスで延期になったオリンピックなどなど、ここ10年ほどでこれほど多くの「今まで通り」ではない事態が発生している。
そんな中、昔ながらのマスクの常識、正論をそのまま押し通していていいのだろうか?
マスクの正論は、「咳、くしゃみで他者に感染を広げないため」だが、無症状や軽症の人もいて、咳、くしゃみだけでなく会話中の唾でも感染するリスクがある今、「症状が出ていない状態からでも他者に感染を広げないため」という理論を正論、常識にすべき時なのではないだろうか?
小さく、薄っぺらいマスクを軽視せず、その有効性をもう一度考え直し、供給と着用を徹底してほしい。