国民民主党の森ゆうこ議員が予算委員会の質疑の中で、イタリアの避難所ではワインまで出るなどと発言したことでほんの少し話題になったので言わせてもらう。

 

私自身はどこの政党も支持していないし、現安倍政権が完璧だとも、野党の方が優れているなどとも思っていない。

 

安倍政権の政策の中でも賛成するもの、反対するものがあり、野党の主張の中にも賛同できるもの、まるで賛同できないものがあり、その都度、どちらに偏ることなく、客観的な事実をもとに自分の意見を持つように心掛けている。

 

そんな立ち位置から「イタリアの避難所」の件を見てみると・・・

 

森ゆうこ議員が最近の台風災害による避難所の状況に対して、日本の対応は遅れている、イタリアのような対応を目指すべきだと政府に指摘した中での発言から始まった。

 

いつまでたっても体育館の固い床の上にゴザを引いて、そんなところに避難者を置いておくって。イタリアでこれだけやってるんですよ。見てください。まず最初にキッチンカーがつくんですよ。1000人ぐらいの食事を提供して。だんだん豪華になって、最後はフルコースに近づく。そしてワインまで出る。ストレスがたまらないように。

 

この質疑全体について、フジテレビ報道局上席解説委員の平井氏が自身のコラム「避難所でワインを出せ? 国民を災害からどう守るか議論しない国会に幻滅した」の中で、

 

驚いたことに国民民主の森裕子議員が「イタリアの避難所ではワインが出る。だから日本も抜本的に変えましょう」と安倍首相に繰り返し迫っている。日本の避難所でも酒を出せということなのだろうか。この人何言ってるのだろう。

 

と書いたことから、森ゆうこ議員への批判が増え、それに対し森ゆうこ議員がツイッターで

 

悪質なデマが一度拡散されれば、取り返しのつかないことになることを、主要メディアであるFNNが一番ご存知なのではないでしょうか。
先般、「煽り運転デマ」があったばかりです。
「避難所でワインを出せ」などど、私は一言も言っておりません。
平井文夫氏の記事は悪質なデマです。

 

と反論した。

 

が、しかし、平井氏のコラムには森ゆうこ議員が「避難所でワインを出せと言った」とは書いていない。

 

なので、平井氏の記事を悪質なデマなどと批判するのも悪質なデマになりかねないのだが・・・

 

 

 

まぁ、正直、こんな言った、言わない、デマだの何だのということに興味はない!

 

どちらもお互いに好かない相手同士なのだろう、だから、相手の発言や記事を基本的に悪いようにしか捉えないからこのようなことになる。

 

そんなことより、そもそも、日本の災害現場において、イタリアと同じような対応をすべきなのか、できることなのか?ということが重大だ。

 

森ゆうこ議員はイタリアができているのだからイタリアよりも経済大国である日本にできないはずがないというようなことを言っている。

 

日本の方がイタリアよりも経済大国ですよ。それでイタリアもさほど人口が少ないわけでもない。イタリアにできることが何で日本で、よしこういうふうにやろうと、目指そうと、そういうふうに言っていただけないんでしょうか。それを聞きたいんですよ、総理に。それが予算委員会なんですよ

 

森ゆうこ議員がどれほどお勉強されているのか知らないが、イタリアに出来るからと言って日本も出来るとは限らないだろう。

 

イタリアの人口が少ないわけでもないと言うが、日本の半分だ。

 

それに、イタリアの災害と日本の災害の発生頻度も、火山噴火、地震、津波、台風などを比較すると大差があるのではと思う。

 

さらに人口密度も影響してくるはずだ。

 

人口密度の高い地域で災害が発生すれば、必然的に被災者も増えることになる。

 

人口はイタリアの2倍、人口密度も日本の方が高い、災害発生率もおそらくだが日本の方が高いだろう。

 

そんな日本においてイタリア並みの対応を実現できるかと言えば「できる」。

 

しかし、物理的にできるとしても、そのための予算は?人員は?となるとどうだろう??

 

そこまで議論するのが予算委員会であって欲しい。

 

そうでなければ、ただ単に他国と比べて劣っているから政府の怠慢だと批判する場に成り下がってしまう。

 

そりゃ、隣の芝生が青いからうちもと思うけども、そのために予算や人員をどうするかまで考えて質疑に立つのが、政権を担おうとする国会議員の最低限の務めだろう。

 

「イタリアがこうだから日本もこうすべきだ!」などという発言は、ど素人の一般人でも、中学生でも小学生でも言えることだ。

 

そのためにどのように予算を確保し、どのように人員を確保し実現に近づけていくのかという計画部分も最低限頭の中に持った状態で批判なり提言なりをすべきということ。

 

簡単に実現できるなら、国民の支持を得るためにとっくにやっているはずだ。

 

総理大臣が「よし!やりましょう!」と簡単に言えないのは、予算や人員、体制の確立などまでも考えるからだろう。

 

野党は考えていないから「イタリアにできてなぜ日本にできない?」などと程度の低い質疑しかできないのかもしれない。

 

野党も自分自身が政権を担っていることを前提にして政策を考え、政府を批判するなり、政府に提言するなりしなければ、まるで意味のない質疑で終わるだけだ。

 

 

 

そりゃ~、避難所でフルコースの料理やワインが飲めて、個室で就寝できて、綺麗なトイレに温泉なんかもあれば最高に決まっている。

 

それをどのように実現しましょうか?という議論をしなければ何も始まらない。

 

ということ!

 

 

 

ちなみに、このサイトで世界の地震発生状況が把握できる。

 

http://ds.iris.edu/seismon/

 

これを見ても、日本とヨーロッパの地震発生状況の大差が分かる。

 

それに日本は台風の通り道だが、ヨーロッパでの台風やハリケーンの被害はあまり聞かない。

 

質疑する前に客観的事実をしっかりと調べ、お勉強をしたのかな??と疑問に思う。