日産とルノーの問題。
カルロス・ゴーンの不正をなぜ防げなかったのか、
日産自動車という組織もその不正に気付いていながら、なぜ、何もしなかったのか?
などと、日産自動車という組織の問題を指摘しているコメンテーターもいるが、
そもそも、不正に気付き、内部告発して、今の騒動になっているのだから、組織として出来得ることはしている状態だと思う。
強大な権力を持っている者を相手にしたとき、たとえ組織といえども抑えられないという事実があるわけだ。
今回は、その強大な権力を持つ者に対し、コツコツと証拠を集め、勇気を出して告発したのだから、称賛すべきことだろう。
そんなことより、
現状は、日産自動車の働き、儲けによって、ルノーが生き残っていると言っても過言ではない状態をどう考えるかだ。
販売台数も利益もルノーより日産自動車の方が上回っている。
日産自動車がせっせと稼いだものをルノーが自分の利益にしている。
極端に言えば、日産自動車がルノーの完全な子会社にされようものなら、日産自動車の日本国内工場をすべて閉鎖させ、フランス国内の工場で日産車を生産させることだってできてしまう。
そうなれば、日本人の雇用は失われ、その分、フランス人の雇用が確保されることになり、フランス政府は大喜びすることだろう。
カルロス・ゴーンの不正や日産自動車の監査能力がどうこうという問題よりも、こちらの方が日本にとって重大な問題だろう。
カルロス・ゴーン率いるルノーが日産自動車の日本国内販売に力を入れない、日本を重視していないかのような状態も、なんとなく理解できよう。
日産自動車が世界で販売している500万台以上もの自動車をすべてルノーの工場で生産しようものなら、ルノーは儲かり、フランス国民の雇用も今以上に増やすことができる。
日本国内の工場は少しずつ閉鎖し、日本国内での雇用は徐々に縮小、最終的にはゼロにすればいい。
そんな考え方だってあるやもしれないのに、日本のコメンテーター達は目先のごたごたしか見ていない。
それと、今の日産があるのは、ルノーとカルロス・ゴーンのおかげだとも言われているが、
ルノーとの提携が始まって数年から十数年はその通りと言えるだろう。
しかし、日産自動車自体の頑張りが無かったわけではないだろう。
ルノー300万台、日産500万台という大雑把な販売台数だけ見ても、今は、「日産のおかげ」なわけだ。
いつまでも過去のことにとらわれる必要はないと思う。
それこそ、何とかルノーを日産の子会社にできないものかと思うくらいだ。