日刊ゲンダイの「忖度が世代交代の妨げに・・・日本が4年後W杯で払う大きなツケ」
この記事、ぜひ、4年後にもう一度大々的に掲載していただきたい。
この記事では、優勝国フランスの勝因を
「若手と中堅とベテランの融合」
と謳っている。
代表チームなんて、その程度に差はあれど、どの国も若手と中堅とベテランの融合で成り立っているものだろう。
それよりも何よりも、フランスという国自体が、サッカーのベテラン国であり、日本は初心者であることを前提にすべきだろう。
さらにこの記事では、
「日本より約3歳も若いフランスがV」
と書いてあり、西野ジャパンが30代ばかりのベテランにより構成されていることを指摘している。
そして、そのような構成になったのが「忖度」によるものだと主張しているわけだ。
ただ単に「忖度」という言葉を使いたいだけかもしれないが、どうやら、本田、岡崎、香川は大口スポンサーやテレビ局に対する忖度により選出されたらしい。
この記事ではそう主張しているが、その根拠、証拠となるものは一切提示されていない。
それこそ、日刊ゲンダイの勝手な「忖度」によって、根拠も証拠もなくそう思い込んでいるだけという「疑惑」を拭いきれない状態だ。
そして、コロンビア戦での先制点を
「前半3分に相手DFがPA内でハンドを犯して退場。PKを決めて先制」というラッキーに恵まれ
と書いているが、ハンドせざるを得ない状況を作り出したのは日本代表チームであり、相手がハンドする必要もないのにハンドしてくれたラッキーではない。
まるでサッカーを知らぬ者が、サッカーをなめているかのような物言いにしか感じられないが、筆者はどの程度サッカーを知っているのだろう?
続いて、
終わってみれば1勝1分け2敗の成績、つまるところ「87分間1人少ない10人のコロンビア」にしか勝っていないのである。
とのことだが、日刊ゲンダイのこの記事にあるように、日本は30代のベテランばかりで戦い、さらに、他国に比べたらサッカー初心者のような国でありながら、トーナメントに進出しているのだから十分な結果だろう。
逆に、「若手と中堅とベテランの融合」がとれていて、平均年齢も若いチームなのに、トーナメントに進出できていなかったら、そちらの方がよほど問題だろう。
記事によると、ドイツサッカー協会公認コーチの鈴木良平氏が、
「西野ジャパンは、残念ながら<将来を見据えながら継続的にレベルアップを図っていく>作業ができなかった。ロシアW杯メンバー23人の中で93~96年生まれの<リオ五輪世代>であるGK中村(23)、DF植田(23)、DF遠藤(25)、MF大島(25)は1秒もプレーできず、世界相手に経験値を上げることがかなわなかった。
と発言したそうだが、そもそも西野ジャパンは2ヶ月しか準備期間がなかった状態で、どのように将来を見据えながら継続的にレベルアップを図るのか?甚だ疑問だ。
さらに、数人の選手が1秒もプレーできず、世界相手に経験値を上げることがかなわなかったとあるが、ワールドカップは確実に結果を出せるかわからない選手に経験値を積ませる場ではなかろう。
ワールドカップすべての試合において、チームが生き残るかどうかの戦いをしているはずだ。
この試合がダメだったら次頑張ればいいからね!で済まされるものではない。
国際親善試合と勘違いしているのか?と思わせる甘い甘い発言内容だと感じた。
むしろ、経験値を積みたいと思うならば、自力でレギュラーを奪い取れ!と言いたい。
そもそも、将来を見据えながら継続的にレベルアップを図っていくことができていなかったから、不安定な結果しか残せず、西野監督へとバトンタッチしたのでは?
ハリルホジッチ監督の時点で、20代前半の中島、久保、上田、大島などの選手をチームに融合させ結果を出せていればよかったわけであって、それについて西野ジャパンが批判を受けるのは筋違いだ。
記事の最後に、
JFAのトップの責務は「実際に行動に移すこと」だ。何の実行力もない田嶋会長では監督が森保だろうが、外国人だろうが、間違いなく苦労する。
とあったが、これについては私も同感だ。
そもそも、日本人に合ったサッカーが何なのかも明確にできないまま、日本のことすらよくわからない外国人監督を当てがったところで、毎度毎度、ゼロからのやり直しのような状態になるだけだ。
サッカー初心者国から脱するためにも、日本人監督の育成、経験値アップを、ワールドカップが終わったばかりの今だからこそ行うべきだ。
この日刊ゲンダイの記事、日本サッカー協会を批判したいのだろうが、問題点の上げ方と指摘がどうも変だ。
どこかずれていて、西野ジャパンの批判なのか、日本サッカー協会の批判なのか、いまいちはっきりしない。
ワールドカップはお試しの場でも、育成の場でも、経験値を積ませる場でもない。
今の日本人選手の中から代表選手を選出し、その代表チームでできるすべての手段を用いて結果を出さねばならない場であり、その結果として経験値を積み重ねていくものである。
若手が出場し、活躍し、結果を出し、経験を積めれば最高だが、サッカー強豪国でさえそれが出来ていない国もあるのに、サッカー初心者のような日本がそのような理想的な状況で事を進めることなど、トーナメント進出よりも難しいことだろう。