サッカーワールドカップロシア大会、日本対ポーランド戦。

 

日本が1失点で負けているにもかかわらず、試合終了までの数分間攻めずにパス回しで時間稼ぎしたことを問題視したり、卑怯などと批判したりする者がいる。

 

目先の結果、つまり、ポーランド戦に勝つという結果だけを求めるのであれば、負けているチームが時間稼ぎというのはおかしなことだろう。

 

しかし、サッカーワールドカップとは、グループリーグがあり、グループリーグの上位2位にならなければ次のトーナメントには進めず、このトーナメントで勝ち進んでいかなければ、当然、優勝も準優勝もあり得ない。そういう大会だ。

 

グループリーグだけがワールドカップではないし、トーナメントだけがワールドカップでもない。

 

グループリーグでトーナメントに勝ち進み、トーナメントでも勝ち進むというのがワールドカップだ。

 

そのうえで、日本はサッカーのルールに則りプレーし、不正やラフプレーなどの違反をせずにトーナメントに進んだまでのこと。

 

当然、選手たちも、サポーターたちも、100%納得できる試合結果ではないし、何も思わない試合内容でもない。

 

そのことは試合後の選手、監督のインタビューでわかるだろう。

 

しかし、ハンドやラフプレーでゴールを防いだわけでもなく、ハンドで得点したわけでもなく、ルールに則ってトーナメント進出を成し遂げたのは確かだ。

 

強豪のイングランド、イタリア、フランス、ドイツ、アルゼンチン、ブラジルなどなどの国々も、相手に得点させぬようボールをキープして時間稼ぎをすることはよくあることだ。

 

にもかかわらず、今回、日本は批判されている。

 

おそらく、負けているのに点を取りに行かないという部分が批判の対象なのだろう。

 

しかし、ワールドカップにおいては、その試合に勝つことよりも、グループリーグからトーナメントに進むことの方が重要だと日本は考えたのだろう。

 

ルールの範囲内において、そのように考えるのは何ら問題なく、自由だ。

 

 

 

かつて、日本の柔道があまりに強く、欧米諸国が勝てない時期があった。

 

日本はその時の柔道のルールに則って試合をし勝っていたわけだが、欧米諸国を中心とする世界はルールを変更した。

 

日本以外の国の選手でも勝てるようなルールに変更して日本からの勝利を手に入れた。

 

それに比べれば、サッカー日本代表はルール違反をしたわけでもなく、ルール自体を変えたわけでもないのだから、筋は通っている。

 

海外のメディアにとやかく言われる筋合いはない。

 

 

 

日本国内でも、日本のサッカーとしてこれでいいのか?などと批判しているテレビ朝日の玉川徹氏のような人もいる。

 

ワールドカップという舞台で日本のサッカー云々とか、選手の成長とか言っていること自体、ワールドカップをわかっていないのではなかろうか?

 

ワールドカップという舞台を使って選手の育成でもしろと?

 

国によってはオウンゴールした選手が殺害されたりもするし、勝つためにハンドをしてでも得点しようとするスーパープレイヤーもいたりする。

 

そんな舞台で選手の成長やら日本のサッカーをどうするやらなど主張している時点で勉強不足だ。

 

ワールドカップの試合で結果として選手が成長することはあっても、選手の成長のためにワールドカップに出場している国は無いだろう。

 

ワールドカップに出場したら、そこは戦場だ。

 

本国から応援のサポーターは来ても、補充の選手やスタッフ、その他の支援等は無い。

 

戦地に赴いた選出された選手と監督とチームスタッフだけで何とか勝ち進まねばならない。

 

ルールの範囲内において、今ある武器と状況を最大限に駆使して何とか勝ち進むしかない!

 

そんな場において、選手の成長のため?日本のサッカー云々?

 

あり得ない!そもそも、そんなことを考えるゆとりのあるチームではないだろう。

 

テレビ朝日の朝の番組内にある「そもそも総研」でも取り上げてもらいたいが、そもそも、玉川徹氏は、「ルール上許されているのだから横綱が猫だまししてもいいだろう」というような主張をしていたではないか。

 

ならば、ルール上制限されておらず許されていることでトーナメント進出を得ても問題ないだろう。

 

猫だましは小兵が奇襲でやるものと元力士が言っていたが、そういった意味では、強くはない日本代表がトーナメント進出を勝ち取るためにルールの範囲内で時間稼ぎをするのは許されるものであり、逆に、小兵でもない横綱が猫だましをするのはルールの範囲内であっても許しがたいものなのでは?

 

どうもテレビ朝日の玉川徹氏の発言、主張には筋が通っていないように思うと同時に、同じく番組に出演している長嶋一茂氏はスポーツを知っていることもあり、実に筋の通った発言、主張をしていたように思う。

 

知らぬなら発言すべきではない。

 

発言したければ勉強してその権利を獲得すべきだ。

 

何でも自由というわけではない。

 

 

 

これも「そもそも総研」で取り上げてもらいたいくらいだが、

 

そもそも、日本程度のレベルでワールドカップに出場できてしまうのがおかしい。

 

日本が出場できて、オランダ、イタリアが出場できないというのは、やはり変だ。

 

おそらくはカネが絡んでのことだろうが、出場国を増やし、収益金をより多く得たいがゆえに、経済的に発展してきたアジアの出場枠を増やしたのだろう。

 

アジア・オセアニアの出場枠を2減らし、ヨーロッパ、南米に分けて欲しいと常々思っている。

 

そういった観点からも、今回の日本対ポーランド戦のような試合は見たくないものだ。

 

だからと言って、批判の対象にはならない。ルール上問題ないのだから。

 

批判すべきなのは、FIFAなのかもしれない。

 

一定のレベルに達している国の数によってその地域の出場枠を決めるなどすべきだろう。

 

単に金集めのためにアジアの出場枠を増やしたのであれば、FIFAは間違っている。