民進党の代表選挙、前原氏、枝野氏の演説を聞いたが、両者ともに何もわかっていない。

 

対自民党、対安倍政権、対安倍首相という観点からしか主張していないことに問題があるということをわかっていない。

 

対自民党、対安倍政権、対安倍首相ということは、何がどうであっても自民党が嫌い、たとえ良い政治をしたとしても安倍首相が嫌いという人にしか支持されない。

 

自民党と対立すること、安倍政権と対立すること、安倍首相と対立することが、日本の政治、社会を良くするための最良の手段とは言い切れない。

 

時と場合によっては、自民党の政策を支持したり、自民党の政策を改善させることも、日本の政治、社会を良くする最良の手段になり得るはずだ。

 

つまり、自民党と対立することで支持者を集めるのではなく、自民党がどうであれ、安倍政権がどうであれ、安倍首相がどうであれ、現状より良い政治、社会を実現するための政策、方法、考え方をまとめ、自民党や安倍政権と対立する別のものではなく、自民党や安倍政権よりも良いものを国民に示す必要があるということ。

 

自民党や安倍政権を倒すのではなく、その良い所は残し、それを土台にしてより良いものを作り上げるという考え方でなければ、国民は容易に野党、民進党を支持することはできないだろう。

 

外交に不安がある、でも、高速道路は無料化となると、国民は天秤にかけなければならない。

 

どちらかを諦め、どちらかを得るという決断をしなければならない。

 

これは、容易にできることではない。

 

過去にそれで失敗した経験もある。

 

しかし、現状の良い部分は残し、さらに良くなるというのであれば、国民は迷わず選ぶことができる。

 

対自民党、対安倍政権ではなく、それ以上のものを国民に示してもらいたい。

 

自民党にしても、民進党にしても、この国をより良くしたいというのは同じはずだ。

 

対立によってより良い国を実現できるなら結構だが、そうでなくてもより良い国を実現できるのではないかということ。

 

そして、より良い国にするためのビジョン、方法を明確に国民に示し、先が見える状態にすること。

 

このことを野党、民進党に言いたい。

 

今がダメなら、今の何がどうだからダメなのか。

 

では、そのダメなものをどうするのか、何をどうすることでダメな部分をどのようにすることができるのか。

 

さらに、それ以外に何をどうするつもりなのか、それを実現するには何をどうすれば実現できるのか。

 

といった具合に、現実的、具体的な方法まで国民に示し、国民一人一人の頭の中に将来、せめて、3年、5年、10年後くらいが見えるようにすべきだ。

 

国民はそれを材料に、現政権と比較し、選択することができる。

 

今は比較するためのものが何も見えない。

 

だから野党は支持されない。

 

それを、まだわかっていないのではなかろうか。