麻生財務大臣の、「取材が正しいか、我々の答弁が正しいか、取材の方が正しいと思ったことはありません。自分の部下の話を信じています」という発言に対して、フジテレビの「バイキング」という番組内で、坂上忍氏と東国原英夫氏がコメントした。
坂上忍氏は、
マスコミが報じたことで国民が知り、疑問を持つことができるといい「それを否定されてしまうと…。僕は今の、ちょっとイラッと来てるんですけどね」と不満を露わにした
マスコミが報じたことが正しければ良いが、そうではない場合、国民は無意味な疑問を持ち、無駄で間違った判断をしてしまうことになる。
マスコミが本質を見失わずに、しっかりと筋の通った報道を行っていることが大前提だということをわかっていない。
2つの対立する意見、主張がある中で、片方の意見、主張しか報じないというのは、民主主義の根幹となれる状態ではない。
マスコミの都合や利権に合わせて切り取ったり、編集し直したり、一方の意見しか報じなかったりということが平然と行われている現状において、マスコミは正義でも何でもない。
意図的に改変された報道により国民が扇動され、多大な犠牲を払わされた太平洋戦争という前例、事実がある。
マスコミの報道が正しいのであれば、そのことを証明するためにも、対立する意見、主張も同時に報じる必要があり、それは民主主義の最低条件をクリアすることでもある。
そもそも、「訂正して、おわびいたします」ということを毎日のように頻繁に行っている以上、マスコミの報道をそのまま信じ、受け入れるべきではない。
マスコミのあり方に国民は疑問を持つべき時代になっていると言えよう。
何の根拠も無く、マスコミの報道は正しいと考えている坂上氏の発言に私はイラッと来てるんですけどね!
で、東国原英夫氏は、
「メディアというのは民主主義の根幹だと思う」「それを蔑ろにされるということは、民主主義の否定に繋がりかねない」と懸念。東国原氏は「政府の重鎮の方たち、どこかマスコミ不信というか、マスコミを毛嫌いしている感覚があるのかな」と推測
これも間違った考え方だと思う。
メディアは民主主義の根幹ではない。民主主義を実現、維持するための道具のひとつに過ぎない。
メディアがまるで主役かのように思っていることが、既に民主主義を忘れている。
民主主義の根幹は国民であり、国民の民意である。
その民意を反映させる道具のひとつがメディアである。
にもかかわらず、道具のひとつであるメディアが正しい民意を伝えていない。
逆に、メディアが民意を意図的に作り出そうとしている。
これは、民主主義に対する反抗とも言えるだろう。
正しく民意を伝えるのではなく、民意を切り貼りしながらマスコミの都合の良いように報じているようでは、民主主義を歪めている一番の悪人であるし、民主主義を否定している張本人と言えよう。
さらに、政府の重鎮だけがマスコミ不信であったり、毛嫌いしていると思ったら大間違いだ。
もっと広く正しく世間を見るべきだろう。
マスコミに対して不信感を抱いている国民は確実に増えている。
政府の重鎮だけではない。
正しい民主主義を主張したいのであれば、国会中継での野党の質疑ばかりを報じないで、与党の質疑も均等に報じるべきだ。
太平洋戦争時には、正しい事実を伝えず、政府側、言わば与党側ばかりの報道をしていて、多大な犠牲を払い続ける戦争を長引かせた。
今は野党側とは言え、やっていることは過去の過ちと同じことをしているに過ぎず、とても正しい報道の在り方とは言えない。
マスコミはバランスよく意見、主張を国民に伝え、国民がその意見、主張を材料にして民意を作り出す。
今のマスコミのやり方は、マスコミ側の都合に合わせた意見、主張だけを国民に伝え、国民はその偏った意見、主張だけを材料にして民意を作り出してしまっている。
もっと言えば、マスコミがマスコミ側にとって都合の良い意見、主張だけを国民に伝え、マスコミ側にとって都合の良い民意を国民に作らせている。
実にあくどいやり方であり、正しい民主主義にとって実に危険な状況下にある。
こういった、自分がヒーローだなどと勘違いしているマスコミによって、国民がマスコミにとって都合の良いように左右されてしまう、扇動されてしまうのは危険極まりない。
やりようによっては、再び戦争へ向かわせることも可能だし、どこかの国のために日本の国益を放棄させることも可能だろう。
正義面して実は自身の都合しか考えていない連中にいいように使われないようにするには、国民それぞれがもっと学び、知識を蓄え、備えなければならない。
偏向報道しかしないマスコミからの情報だけで判断せず、様々な道具を駆使して様々な情報を仕入れ、それらを材料にして民意を作り出すのが最善だろう。
今後、10年、15年もすれば、テレビ、新聞からしか情報を得ない世代は減少してくるだろう。
そのうえで、国民が情報の信頼性をしっかりと見極められる状態になれば、正真正銘の民主主義を確立できるようになるかもしれない。
つまり、今は、テレビ、新聞が国民の民意を左右している状態であり、正しい民主主義の状態ではないということ。
そもそも、RDD方式の世論調査も正しい民意を反映しているとは言えない。
固定電話を対象に電話で調査していて、最近は携帯電話も対象にしているらしいが、知らない番号からの電話に出る人は少ないだろう。
結局、固定電話が中心の世論調査となる。
となると、固定電話がある世帯に限定され、若年層の多くは対象から外れることとなる。
さらに、調査の質問の仕方によっても答えは変わってくる。
マスコミにとって都合の良い答えを引き出すために、質問の仕方を工夫している場合も十分に考えられる。
もはや、マスコミの報道が正しいと言える根拠は何も無いのです。
だからこそ、様々な意見を偏ることなく報じることが重要なのです。
偏った報道によって作られた偏った民意は、やがて偏った国を作ることになる。
そうならないために、偏った報道であっても、その偏りを認識できる国民になり、国民自体がその偏りを正して、バランスの取れた民意を作り出す必要がある。
そして、バランスの取れた民意によって、バランスの取れた国を作る。
それが、安定した国と言われるようになるのだと思う。
民主主義の主役や根幹はメディア、マスコミではなく、国民だ。
偏ったメディア、マスコミによって偏った国にならぬよう、国民がその偏りを正す!