朝日新聞の「訂正して、おわびします」、目立たぬようひっそりと済ましたいだろうが、ネット上ではしっかりと指摘されている。
しかし、この「訂正して、おわびします」という記事、紙の新聞を読んでいる人も、インターネットの朝日新聞デジタルを読んでいる人も、気付くのは難しいのではないだろうか?
朝日新聞紙上でも、朝日新聞デジタル上でも、この「訂正して、おわびします」を発見するのは容易ではない。
朝日新聞紙上では隅から隅まで読んでいけば見つかるが、朝日新聞デジタル上では、普通に閲覧しているだけでは見つからない。
サイト内検索で「訂正」とでも入力して検索するか、トップページの下の方のさらに目立たない位置にある「訂正・おわび」をクリックして訂正・おわびの一覧ページにアクセスするかしなければならない。
少なくとも、「訂正して、おわびします」という記事が一面トップやトップページの新着ニュース欄に掲載されることは無い。
こんな状態だと、間違ったニュースを世間に流して、それを見聞きした人全員に間違いであることを伝えることは絶対にできない。
朝日新聞デジタルの間違った記事の最下部にも「訂正して、おわびします」が掲載されているが、一度見た記事を数日後にもう一度アクセスしてみる人はかなり少ないだろうし、朝日新聞デジタルの「訂正・おわび」の一覧ページをこまめにチェックする人もかなり少ないだろう。
となると、間違った情報は正されることなく漂ったままになることが容易に想像できる。
新聞社として、もっと情報の正確性と間違った情報を流した後の後始末について努力すべきなのではないか。
間違った情報を流した際の訂正・おわびならば、一面の目立つ位置、トップページの目立つ位置に掲載すべきだ。
で、今回、何を訂正して詫びたのかと言うと、
19日の朝日新聞の記事、「重国籍 なにが問題?解消手続きは?」内での国籍法に関する記載。
いずれかの国籍を選択するよう求めていることを「努力規定として」と説明したのは誤りであると訂正しています。
国籍の選択は日本においては法律によって定められた義務であって、どちらを選ぶか努力してくださいねーというものではない。
国籍を選択した後、選択しなかった方の国籍を離脱するよう努力してくださいねという部分が、努力規定だ。
つまり、つい最近まで重国籍であった蓮舫議員は、国籍法に定められた国籍の選択について、法に従っていなかった、違法状態のまま政治活動も大臣も務めていたということ。
朝日新聞は、努力規定なのだから重国籍の状態でも問題ないのでは?と言いたかったのかもしれませんが、国籍法自体を理解していなかったので、後に「訂正して、おわびします」ということになったわけだ。
法律に定められている以上、「問題ない」とは言えない。
それが許されるなら、制限速度40キロの道路を120キロで走ったけど事故を起こしていないから問題ないでしょ?と言えてしまう。
次から次へと擁護する記事や攻撃する記事を書きたいのだろうが、不正確な知識や情報のまま記事を書き、それを世間に広く伝わる方法で伝え、間違いが発覚しても目立たぬ方法で訂正して詫びるというのはいかがなものか?
間違った情報により国民が不安や怒りを抱くなどして、国全体が間違った方向へと進んだ時、どのように責任を取るつもりなのか?
日本の過去に学んでいるとは思えない。
朝日新聞に限らず、その他の新聞社も同様。
それぞれの思惑、利益、権益によって、自分の都合に合わせた報道を行っていることがある。
国民の多くが、そこまで読み取る能力を持てば、新聞、テレビなどのメディアに左右されることなく、安定した政治、経済、社会を実現できるかもしれない。