豊洲市場移転問題で、盛り土がなされなかった経緯について東京都庁内部で調査し、その結果が公表されました。
これについて報道番組など各メディアから、結果に納得できない、このような調査では意味が無いなど、批判が多く聞かれます。
小池都知事としては、予め予想していた結果でしょう。
そりゃ、都職員に自浄能力があるならば、それが一番理想的な状態ですが、都の職員は優秀だなどと言われつつも所詮公務員です。
都職員による内部調査が都民を納得、満足させる結果になるとは考えていなかったはずです。
ではなぜ都職員に調査をさせたのか?
それは、都知事として都職員を信頼しているという形を取りたかったのでしょう。
都知事として、都職員に対して筋を通したということです。
物事を進めるうえで筋を通すことは大切です。
筋を通していれば、よほどのことでもない限り、負けることはありません。
筋を通した者が優位な立場でいられるのです。
さらに、都職員による調査結果をマスコミを通じて都民どころか全国民がわかるように公表することによって、都職員の自浄能力が無いことを知らしめたわけです。
「ほら、都職員に自浄能力はないでしょ? 都知事がやるしかないでしょ?」という状況を作り、都知事に対する都民の信頼をさらに高めたのです。
都議会に対しても同様。
都知事就任あいさつの際の都議会自民党の対応に始まり、市場移転の経緯において議会は何をしていたのか、現在明らかになった各問題に対して都議会の各会派はどのように対応しているのかなど、マスコミがすべて報道しているのです。
これら報道を見聞きしている多くの人達からは、都議会自民党は何をしてきたの?そして、今何をしているの?という疑問、不信感が生まれているのです。
豊洲市場内部を調査し、水質検査などを行っているのは都議会自民党以外の会派ばかりで、都議会自民党が動いている気配はまったくありません。
言い換えれば、都民のために何もしていない状態なのです。
当然、都民の都議会自民党への信頼は無くなっていくばかりです。
このことも小池都知事はある程度計算済みだったのかもしれません。
情報を公開し、都職員、都議会のこれまでのダメさを世間に知ってもらい、さらに、このダメな状況から物事を正していく能力も無いことを世間に知ってもらったのが現時点でしょう。
都議会と都職員のダメさ加減を都民どころか国民全体に知らしめたわけです。
こういった点はアナウンサーとしてメディアに居た時の経験、ノウハウを持っている小池都知事だからできたことかもしれません。
メディアを上手く利用して、ダメな部分をしっかりと都民、国民に知ってもらう。
そのうえで、自ら事を成すときには筋を通し、後々、文句を言われぬよう事を進める。
やはり、本質を見極め、物事に筋を通すことが一番ということです。
それに勝るものは無い!
もはや、都職員は、自分たちで何もできない、自分たちで正せない、都民の納得する行政ができないことがはっきりと証明されたのですから、偉そうに都知事に文句を言えた立場ではない。
言おうものなら、都民に文句を言っているに等しいわけで、自分たちの首を自分たちで絞めることになるわけです。
そして都議会も、都職員の行政を都民を代表してしっかりと監視していなかった、そのうえ、都議会自民党は明らかになった問題に対して真摯に取り組んでいないのですから、偉そうに都知事に文句を言えた立場ではない。
言おうものなら、都民に文句を言っているに等しいわけで、自分たちの首を自分たちで絞めることになるわけです。
都職員、都議会、どちらも、本質を見失い、物事に筋を通さなかったがためにこうなったのだと自覚すべきです。
物事に筋を通して事を進めていれば、こんなことにはならなかったのは明白だ。
物事に筋を通すなんて、人として当然のこと。
人として当然のことすらできないようでは、人以下ということになるが、それでいいのか?