フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン車不正プログラム。
報道を見ると、どうも何年も前から薄々知られていたことのよう。
トヨタも2013年に欧州の担当部局に対して指摘していたらしい。
にもかかわらず、明らかになったのは2年後、しかも、アメリカでの調査結果による発覚。
フォルクスワーゲンの不正を欧州全体で見て見ぬふりをしていたのではという疑いも出てくる。
トヨタとしては、フォルクスワーゲンのディーゼルエンジンに追いつけ追い越せという思いで自社での開発に取り組んでいたのだろう。
しかし、どれだけ試行錯誤してもフォルクスワーゲンのディーゼルエンジンに追いつけない。
技術ではない別の要因によってフォルクスワーゲンは規制をクリアしているのではないかと考え、欧州の担当部局に指摘したのだろう。
しかし、欧州では調査すら行われず、無視された。
そしてメスを入れたのがアメリカというわけだ。
さすがアメリカ!と言いたくなる。
自動車大国でもある日本がメスを入れても良さそうだが、日本は欧州にものを申すことができないのだろう。
実に情けない・・・
しかし、フォルクスワーゲンのやり方、判断は大バカとしか言いようがないな。
不正をして規制をクリアしたことで、自社ではディーゼルエンジンの性能を規制以上に高められぬまま、つまり、飛躍的な成長をせぬまま何年も過ごしてきたことになる。
しかし、他社はフォルクスワーゲンに追いつけ追い越せで一生懸命開発に取り組んできたはずだ。
その分、フォルクスワーゲンよりも高い技術力を会得しているかもしれない。
結局、フォルクスワーゲンは自らの行いによって、自らの成長を止め、他社の成長を促したことになる。
それを証明するかのように、スズキの鈴木修CEOが「フォルクスワーゲンには欲しい技術が無かった」というようなことを言っている。
もしかすると、規模は世界1、2位を争う規模でも、技術はスズキ以下?
本当にそうだとしたら今後どうなるのだろう・・・
フォルクスワーゲンは対象車に対してリコール対応するらしいが、
対応は簡単だろう、プログラムを書き換えるだけなので、1台あたりの時間や費用もたいしたものではない。
しかし、どう書き換えるのか?
試験時にも実走時と同じ制御をするように書き換えるのか、実走時に試験時と同じ制御をするように書き換えるのか?
試験時にも実走時と同様の制御にすると、規制をクリアしていない車ということになる。
実走時にも試験時と同様の制御にすると、部品への負荷が高まるため、製品寿命が短くなることだろう。
製品寿命が短くなれば、消費者が不利益を被ることとなり、訴訟が増える可能性がある。
本質を見失い、筋の通らぬ行いをしたことで、さらに面倒なことになりましたなぁフォルクスワーゲン。
面倒なことになったうえに、他社の技術力を高めてしまったかもしれず、さらに自社が苦しい立場に。
本質を見失った筋の通らぬ行いをすれば、物事は悪い方向へと進むということです。
当然のことです。
が、人間はバカなので目先の利益ばかりを考え、筋の通らぬ行いをしてしまうのでしょう。