日本が戦争に向かう、巻き込まれるという危機感を抱くことも重要でしょう。
しかし、それと同じく、
周辺諸国によって日本が侵略される、戦争に巻き込まれるという危機感を抱くことも必要です。
日本国内で戦争反対と叫んでいれば、日本が戦争を始めることを防げるかもしれません。
が、
日本国内で戦争反対と叫んでいるだけでは、他国による日本への攻撃を防ぐことはできません。
日本が戦争を始めない、日本が他国間の戦争に首を突っ込まないようにしつつも、日本が攻撃されないよう、侵略されないよう対策もしなければならない。
日本が戦争を始めないようにするには、国内で「戦争反対」と叫べばそれなりに効果があるでしょう。
日本が他国間の戦争に首を突っ込まないようにするには、集団的自衛権や安保関連法案を見直すなり、国民による政府への監視を強化するなりすればよいでしょう。
では、
日本が攻撃されないよう、侵略されないようにするにはどうしたらよいのか?
平和的に話し合いで?
それが理想ですが、現実は・・・
いくら話し合いをしても、北朝鮮から拉致された人たちが帰ってくるどころか、情報すら得られていません。
さらには、そんなことそっちのけで、核ミサイルの開発を進め、それを使って脅しまでしてくる始末。
南シナ海の埋め立てを終了したと国際社会に発表しておきながら、埋め立てを続け、滑走路を3本も建設し続けている中国。
東シナ海でのガス田開発に対し、日本が散々停止してくれと話していても、一向に停止しないどころか、さらに開発を進めている中国。
北方領土も返してくれと話し続けて何十年と経過。
だからといって武力で解決していいわけでも、解決できるわけでもありません。
ただ、話し合いでは日本の周辺諸国に対してはこの程度が限界だということ。
どうにかぎりぎりの状態でいるだけ。
どうにか、北朝鮮による日本人の拉致、誘拐は停止している。
どうにか、中国の埋め立てや軍事基地建設は日本から離れた南シナ海でしか行われていない。次は東シナ海かもしれませんが・・・
どうにか、東シナ海のガス田開発は日中の中間線から日本側に入り込んではいない。海上で見る限りは・・・海底ではどうか・・・
どうにか、ロシアによる北方領土での軍事基地建設や開発は行われているが、北海道にまでは手を出してこない。
あちこちがギリギリの状態である現実を日本国民として理解しておく必要があるでしょう。
このギリギリの状態から一線を越えるか越えないかは、日本の国力、防衛力しだいでしょう。
世界情勢が悪化し、国際社会の目が日本から離れ、かつ、日本の国力、防衛力が低下していれば、どさくさに紛れて一線を越えることもあり得ることです。
日本国内で「戦争反対」と叫んでいるから一線を越えないわけではありません。
自衛隊の存在、在日米軍の存在、日米安全保障条約の存在、日本と国際社会の関係などなど、あらゆるものの絶妙なバランスが今のギリギリ状態を保っているわけです。
今、中国の積極的な軍備増強と南シナ海への支配強化、アメリカの消極的な姿勢などにより、そのバランスが変わってきているという現実があります。
この変わってきたバランスに対して日本がどうすることで、これまで通りのギリギリ状態を継続できるのか。
そこを考えることが重要だと思います。
というか、それが本質のはずです。
戦争はもちろん反対です。
しかし、「戦争反対」と叫んでいれば、日本が戦争を始めることも、日本が戦争を吹っ掛けられることも防げるわけではありません。
両方を防ぐにはどうしたらよいかを考えなくては、どちらか一方ではバランスが崩れてしまいます。
そして、そのバランスの崩れが、日本から何かを奪おうと考えている国にとってはチャンスとなるのです。