国際連合安全保障理事会の常任理事国である中国が率先して周辺諸国との軋轢を生じさせている現状。


南シナ海で一方的な領有権主張と軍事力による支配強化、さらには、珊瑚礁を容赦なく埋め立てるという地球環境破壊行為を行っている事実がありながら、


ヨーロッパ諸国はそれらを強く非難することなく、AIIBにノコノコと参加している。




安保理の常任理事国が国際法を無視した領有権主張と軍事力による支配を行い、環境破壊も行っているという筋の通らない行い。


ヨーロッパ諸国がそういった事実を当然知りながら、それらを見て見ぬふりして金儲けできるかもしれないAIIBに参加するという筋の通らない行い。


こんなことを続けていれば、いずれ、どこかで、その歪が悪影響を及ぼし、厄介な問題を発生させることだろう。




イギリス、フランス、オランダなどのこのような金儲け優先、金儲けのためなら中国の行いは見て見ぬふりするという行いは過去と重なるような気がする。


東南アジアを植民地支配していたヨーロッパ諸国が、日本の侵攻により植民地を手放すこととなったわけだが、


日本が敗戦すると間もなく、再び東南アジアを植民地支配しようとノコノコと戻ってきた。


ところが、現地民の激しい独立運動に負け、再びの植民地支配を諦め、独立を認めた。


植民地支配が当然かのようにノコノコと戻ってくるという浅ましい行い。


このような70年前の浅ましい行いが、今の世にも続いているように見えてしかたない。




ヨーロッパ諸国からすれば南シナ海や東シナ海での中国の行いなど気にする必要はない。


遠く離れた場所の出来事であり、中国軍機がヨーロッパ上空を飛来することもないので、南シナ海や東シナ海で中国が何をしていようが、経済的なメリットさえあればそれで良いのだろう。


この考えが実に浅ましいとは思わないだろうか?


さらには、中国が50%を負担し、残りを50か国以上で分担、そこに日本が参加すれば、さらにヨーロッパ諸国の負担は減り、それでいて経済的メリットはそのまま、南シナ海で何があろうがヨーロッパ諸国は無傷ですむ。


こんな考えが根底にあることは見え見えだ。


南シナ海、東シナ海での出来事に悩んでいる日本としては、参加すれば多額の負担を強いられ、南シナ海、東シナ海で何かあれば、無傷ではいられないかもしれない。


多額の負担をしたにもかかわらず、下り坂となっている中国経済に何かあれば、AIIBの破たんもあり得、多額の負担が損失でしかなくなる可能性もある。


遠く離れたドイツに日本の参加を促されても、ヨーロッパは気楽に参加できるだろうが、日本はそうはいかない。


日本が参加したとして、AIIBに問題があり脱退したり、AIIBが破たんした場合、数千億円は日本に戻ってくるのだろうか?


そもそも、既にアジア開発銀行がありながら、それとほぼ同様のことをするAIIBに参加するというのは、アジア開発銀行を否定することになるのでは?


借金の返済を終えていない中国が金貸しをするというのも筋が通っていない気がするし・・・


むしろ、中国経済が混乱に陥る前に、世界に対して借金を返済する方が先だろう。




見方によっては、中国経済が既に先行き不透明、中国国内の需要が無く、これ以上の中国経済成長が見込めなくなったからこそ、慌てて需要を求め、AIIBをそれに利用しようとしているのでは?


だとしたら、よりAIIB参加は慎重であるべきだろう。


トヨタの中国工場もどうかと思う。


スバルは中国工場、中国市場に頼らずに業績右肩上がりを続けている。


中国に頼らずとも成り立つ状態を実現することの方が将来のためになるだろう。