エステ業界の一部で労使間の問題が発覚と濁して言う必要もないか、
たかの友梨ビューティークリニックで発生した労使間問題。
従業員への残業代不払いや勤務中の待遇について監督官庁へ訴え、是正勧告をしてもらったのち、代表取締役が従業員との会食時にパワハラと思われる発言をしたとされる問題。
一番身近にいる従業員すら大切にできない会社に、お客様を大切にすることなどできません!
会社に対して多くの不満を持っている従業員がゆったりと余裕のある精神状態でお客様に対応できるとは思えません。
接客業であれば、従業員がストレスなく接客できるよう配慮することが重要だと思うのですが、ただただ利益を上げることばかりを追求するあまり、従業員に無理をさせ、ストレスのたまった状態で働かせるというのは、結局は会社にとって大きなマイナスとなることは間違いありません。
ゼンショーのすき家を見ても明らかなこと。
特に人対人の接客業であれば、その影響は短期間にはっきりと表れることでしょう。
だってそうでしょ?
精神的に追い詰められているような人に接客されて気持ちいい人はいないでしょ。
会社を愛していない従業員に「この商品いいですよ~」と言われても説得力ないでしょ。
従業員をそんな状態で雇用していれば、業績悪化するのは当然のことです。
従業員の使い捨てで乗り切ってきたとしても、すき家のように限界がやってくるものです。
少なくとも、嫌な思いをしてやめた従業員が顧客になることはありませんし、その従業員の家族、友人、友人の友人などなど、多くの人の顧客になる可能性を潰すことにもなるのです。
口コミで会社の悪い状態が知れ渡り、新規顧客が伸び悩み、それまでの顧客も離れていくという構図が容易に想像できます。
従業員の能力を80%しか引き出せない経営者と、いざという時には120%引き出せる経営者。
どちらが優秀かは明白。
240の仕事をさせるのに、80の仕事をする人を3人雇うのと、120の仕事をする人を2人雇うのと、どちらが効率的?
今80の仕事をする従業員を100、120の仕事ができるようにすれば、それだけ効率が良くなるわけです。
それができず、従業員を威圧し、低賃金で働かせることしかできない経営者は能力が低いと言っていいでしょう。
日本の景気低迷やそれからいまいち抜け出せない状況は、経営者の能力が低いのも原因のひとつです。
経営者なら、従業員の心理状態、精神状態が仕事に対してどのような影響を及ぼすかといった知識も心得ておく必要がある。
単に低賃金で働かせて利益を出すというバカでもできる経営手法の限界がそこかしこに見え始め、
毎年の恒例行事のように従業員の首を切り、それによって黒字を維持したり、会社を存続させている企業も見受けられる。
従業員を安く使う、経営が悪化したら解雇による人件費削減で穴埋めするというバカでもできる経営の限界がはっきりと見えてきた日本。
派遣社員、契約社員、パート、アルバイトの多用が経営能力の低下を招いたと言ってもいいだろう。
つまり、政策の失敗でもある。
もういいかげん、低賃金で働かせて儲けるバカでもできる経営から脱し、従業員の精神状態、心理状態を把握し、コントロールしつつ最大限の能力を発揮させる経営手法に移行しなければ、今後の労働力不足にも対応できなくなるでしょう。
少ない労働力の個々の能力を最大限に引き出し、効率良く働いてもらえる状況を作り出せれば、労働力人口が減少しても太刀打ちできる。
海外から外国人労働者を入れればよいというバカでもできる政策では、問題が発生し、すぐに限界が見えてくることでしょう。
ストレスを受けつつ低賃金で働いている人たちの能力を引き出すことでも、労働力不足は補え、それが、格差是正にもなる。
ただ単に働く人を増やすという安直な手法ではなく、現状のしくみを改善して乗り切るという頭を使った手法で問題解決をしていただきたい。
もう、バカでもできる経営、バカでもできる政策はいらない。