日経電子版に「ひろがる人手不足、トヨタでさえ足りない」という記事があった。
円安効果なのか、日本経済が回復したからなのかわかりませんが、
どうやら輸出中心の大企業で人手が足りていないようです。
確かにスバルも人手不足で工場は大忙しらしい。
にもかかわらず、企業は期間従業員として人手を確保しようとしている。
「仕事は持久力がいりますが寮は無料。特別手当が10万円出ますし、社員への登用制度もあります」などと説明して勧誘しているらしい。
忙しい時期だけ雇って、業績が悪化したら即解雇、契約解除する気が見え見えだ。
企業の都合だけを考えて人を使おうとしているわけだ。
必要な時だけ正社員ではない安い賃金で人を使い、業績が悪化し必要なくなったら解雇し、人件費を削減することで業績を維持しようという、バカでもできる経営手法。
社員として雇用します!という度胸のある企業は日本には無いのか?
人を削りに削ったソニーは資産を切り売りして会社を維持するのに必死だ。
4Kテレビも早速アジアの低価格製品が入り始めているし、VAIOはソニーではなくなったし、どうするのだろう?
ものづくりを諦め、保険会社、金融会社になり切るつもりなのだろうか?
といった具合に、
人の首を切ってやり繰りしてきた企業には自らの手法で再建する能力はない。
当然のことだろう。
バカでもできる経営手法である人件費削減、契約社員、派遣社員に頼り切った経営を続けていれば、それ以外に経営を立て直す能力など身に付くはずがない。
いつ首を切られるかわからない契約社員に「会社のために120%頑張ってくれ!」などと頼んでも、応じてくれるはずがない。
社員の生活のために頑張ってくれる会社や社長のためなら、会社が大変な時に120%頑張ってやろうと思える人も出てくるだろう。
人には目には見えない効果がある。それが、目には見えない経済効果にもなり得るということだ。
雇用の仕方で100%に満たない働きにも、120%に相当する働きにもなる。
それが人だ。
「人が働く」ということの本質から見直していった方が景気回復に繋がるのではなかろうか。