集団的自衛権が抑止力となっているうちは良いが、
その抑止力を上回った場合どうなるのだろう?
日本人を救出・搬送している他国の軍が攻撃を受けたときに、自衛隊が援護する、自衛隊も共に交戦して日本人を守るのは理解できるが、
自衛隊から攻撃を受けた側の国としては、日本から攻撃を受けたと捉えるのは自然の事。
そうなったとき、日本本土を直接攻撃対象にすることもあり得るだろう。
つまり、集団的自衛権の行使によって、日本国内の国民すべてを危険にさらすことになる。
ということもあり得るわけだ。
集団的自衛権の行使は、対する国と戦争をする十分な理由になる。
これは相手国にとっても、そして、日本にとっても同様だ。
日本本土が攻撃されるとなれば、自衛隊が動き出すためのもっともな条件を満たすこととなる。
まぁ、国民を守る過程でそうなるのは仕方のないことかもしれない。
だとして、日本の国土、国民を守り切ることができるのだろうか?
そして、変な考え方をすれば、
ある国と戦争状態になるために、意図的に集団的自衛権を行使することも無きにしも非ずだ。
さらには、
日本と戦争状態になるために、意図的に集団的自衛権を行使させるような事態を引き起こすことも無きにしも非ずだ。
例えば、
A国とB国の国境付近で両国の戦闘状態となり、A国軍が現地の日本人を救出してくれたとする。
そこへB国軍が攻撃をしてきた場合、集団的自衛権の行使として、自衛隊とB国軍が交戦することもあり得るわけだ。
そうなれば、B国としては、「日本から攻撃を受けた」となる。
「日本から攻撃を受けたので日本を敵国とみなし、日本本土を攻撃する。」
「我々はA国と交戦していたのに、日本が攻撃を仕掛けてきた。日本が先に攻撃をしたのだから・・・」
といった具合になりはしないだろうか?
それが一番の気がかりだ。
集団的自衛権を悪用すれば瞬時に最悪の事態となるし、
集団的自衛権の行使を誤っただけでも最悪の事態となる。
集団的自衛権と明らかに明示しなくても、周辺諸国との結びつきを強めるだけで、それなりの抑止力になったりはしないのだろうか?
そもそも、集団的自衛権のことを無しにしても、想定を超えるような緊急事態、危機的な事態が発生すれば、超法規的な措置を取るのではないだろうか?
非常に規模は小さいが、最近起きた韓国軍への銃弾提供のような感じで、その時、その場の状況によって対処するのでもよいのでは?とも思える。
いずれにしても、自衛隊が交戦する事態の発生確率は大きくアップするだろう。
アメリカが何を言っても効果のない国もあることだし。
集団的自衛権はうまくいけば抑止力の強化になるが、ちょっとしたミスで大惨事にもなり得るものだと思う。
ちょっとしたミスを犯さない自信と大惨事への覚悟が必要なものだ。