ややこしいタイトルですが、
埼玉県が秩父地域からの自衛隊派遣要請を断ったことを批判する新聞記事を批判している埼玉県議会議員のブログを目にしました。
ブログ記事では、埼玉県が派遣要請を断ったわけではなく、自衛隊に断られ、その後、再度、人命救助としての派遣要請をして受け入れられたとあります。
それは、埼玉県として実状を把握しきれておらず、中途半端な派遣要請しかできなかったから断られたということなのではないでしょうか。
現に、週明けの17日から情報収集を行い、再度の自衛隊派遣要請を行っています。
最初の自衛隊派遣要請はただ単に秩父地域から要請があったから、といった感じで行われた可能性があります。
つまり、埼玉県は15日の時点でも情報を収集できていなかったのでしょう。
山間部の現状を把握しきれていない状態で上田埼玉県知事は行事に参加していたいということになります。
現状がわかっていないということは、既に数多くの人命が失われている可能性も否定できない状態ということ。
そのような状況下で危機管理に100%の力を注ぐのではなく、行事参加を優先させたことも問題でしょう。
新聞記事では、表面的、直接的な出来事を取り上げて批判していますが、
本質はそこではないと考えます。
埼玉県が充分な情報を把握せずに自衛隊派遣要請を行ったこと。
17日から情報収集を開始し、自衛隊派遣要請を行ったが、15日、16日は何をしていたのか?ということ。
14日の気象状況から積雪量が予測できたはずなのに、事前ではなく、事後に対応しようとしたこと。
これらが問題であり、批判されるべきことなのだと思います。
埼玉県議会議員のブログ記事では、埼玉県は県なりに頑張っていたというような内容となっていますが、その頑張り?自体に多くの問題があるということです。
県なりの頑張りが県民に役立っていなければ、単なる自己満足の作業でしかない。
県でできるだけのことを必死に完遂しようとしたが批判された。ならば、自衛隊にすべてを任せてしまえばそれでよいのか。
といった内容のこともブログ記事に書かれていましたが、
追い詰められた人の屁理屈に近い考え方だと思います。
実際、県は何をしたのか?
現実に秩父地域は孤立した。そして、県内各地の県道、国道は除雪車が走ることなく時間だけが経過していた。
15日、16日になっても秩父地域を視察したような報告はない。
そもそも、埼玉県に除雪のノウハウすらなかった。
県でできるだけのこととは何か?除雪のノウハウすらない埼玉県、主要国道、県道すら除雪できていなかった埼玉県に何ができ、何を完遂できるのか。
結論として、埼玉県にあれほどの雪をどうこうできる策も能力もなかったということです。
であれば、恥を忍んででも早々に新潟県に除雪の協力をお願いするなり、自衛隊が動きやすいような派遣要請をすべきだったのです。
批判の矛先は上田埼玉県知事だけでもなく、自衛隊派遣要請を断ったことだけでもない、
それは表面的な問題であって、事の本質はこれとは別に数多くあり、これ以上に重要なものだと思います。
それが見えていないようなら、再び同じ状況下で同じことを繰り返すことにもなるでしょう。
と、新潟生まれの埼玉県民は考える。
まさか、埼玉県知事と埼玉県は雪の少ない埼玉で雪が降ったもんだから浮かれてたのか?
一度、真冬の新潟へ行ってみるといいです。
除雪車の見事な作業。
深夜でも通行を維持すべく頑張っている姿を。
埼玉県にこのようなノウハウや実行力があれば、ものすごい雪だったと言いながら普段と同じような生活ができていたのかもしれません。
危機管理は危機が生じてからのことだけではなく、危機が生じないようにすることも重要です。
今回の埼玉県の対応は、危機が生じないようにするための対策も不十分、危機が生じてからの対応も完璧、完遂とは言えません。
「埼玉県が自衛隊派遣要請を断った」という表面的な部分を批判するだけではなく、事の本質を見極めて批判することも大切でしょう。