図書館の窓口業務が民間企業に委託されることになり、その説明会と面接に参加してみました。


すべてが私の想定通りでした。


図書館業務を請け負う会社としては国内最大手の会社なので、それなりに対象図書館の利用状況、現職員の業務遂行状況、経費等について調査のうえ、より良い図書館にするための提案でもしているのかと思いきや・・・


その会社の担当者は内部の業務状況などほとんど把握しておらず、何室かある分室にすら足を運んでいないありさま。


民間企業なのだから、マーケティングをしっかりと実施したうえでの入札参加と思うでしょうが、大間違い!


ただただ委託業務を勝ち取っただけという感じ。


おそらくは価格だけで決定したのでしょう。



本来ならば、中央図書館はもちろん、市内各所の分室にも足を運び、それも、平日と土日祝日、午前中と午後などにわけて何回か状況を調査し、


「この状況ならばここをこう変えると良いですよ」という提案と価格とで決定すべきことだと思うのですが。


地域の状況も知らない、知ろうともしない、ただただ委託業務を勝ち取り、皆さんの税金から少しでも多くの儲けを獲得したい。


そんな会社に市民の財産である図書館を委ねるのはいかがなものか。



引き受ける図書館に足すら運ばない会社。


その程度の仕事で業務委託を勝ち取ることができるのならば、うちらにもできそうでは?


民間企業は儲けを必要とし、会社の存続や規模拡大のためにできるだけ多くの額を儲けにしたいと考えます。


しかし、会社の規模拡大を考える必要のない組織、団体ならば、儲けの分を差し引いて業務委託を受けられるわけです。


それでいて、マーケティングすら実施しない会社並みか、それ以上のノウハウがあれば、問題ないどころか、こんないい話はないでしょう。


地域の財産を地域の人たちを雇用して運営し、その地域に税金を納める。


これが究極のコスト削減と地域活性化だと考えます。




今後、私の地域の図書館は、地域のことも把握していない、引き受ける図書館や分室のことも把握していない、そんな会社によって運営され、私たちの税金の一部をその会社の利益として持って行かれてしまいます。

そして、その会社の法人税は都内に納められる・・・


どう考えても、地域活性化からは離れていく行為。


なんとかしなければ・・・


友人が地域の活性化について考え、取り組みを開始しようとしているので、その友人と話し合ってみたいと思います。




ちなみに、面接の際に会社の担当者が、さも、運営のプロかのように、「中央図書館と分室トータルで運営しなければならない うんぬんかんぬん」と、経営とはなんぞやみたいなことを語っていました。


しかし、分室には足を運ばず、平日や土日の利用状況の違いすら把握していない。


面接の中で感じたことは、如何に効率よく契約社員を働かせて儲けを得るかだけを考えていて、地域の活性化、その地域の特性に合わせた図書館運営についての展望や提案、理念のかけらすら感じられませんでした。


面接の中で逆に問いたかった。


「御社が業務委託を受けることによって、地域はどのように活性化されるのですか?地域はどのようなメリットを受けられるのですか?」と


まぁ、面接の中で、「ほかの分室へは行かれましたか?」と私が逆質問すると、痛いところを突かれたのでしょう、かなり焦った様子で私に食って掛かる程度でしたので、答えることはできなかったでしょう。


辛うじて分室に足を運んだ担当者いわく、


「平日でしたので閑散としていて、職員が利用者と話をしていましたよ」とのこと。


何を見に行ったんだ??小学生じゃあるまいし、見たまんまではないか!


本の状況は?居心地は?経営するうえでその状況から改善すべき点は?などなど聞きたかったが、無駄な時間になりそうなので、「そうでしたかぁ」で終わらせた。


図書館運営のプロではなく、契約社員管理のセミプロといった感じ。


ある意味、私が業者側を面接した感じに終わりました。


最後に「よろしくお願いします」と頭を下げてきましたが、社交辞令です。




本来は、業務を委託する役所側が、「御社が業務委託を受けることによって、この地域はどのように活性化されるのか、何かご提案はありますか?」と問うべきものです。


何の提案もなく、ただ安く引き受ける会社に業務を委託するというのはもったいない。


安いだけというメリットでは、税収がちょっと減れば消えてしまうメリットです。


安いうえに、地域を活性化するノウハウくらい持っていなければ、委託するメリットは極わずかでしょう。




私は都内の自治体のシステムを管理する部署で勤務していましたが、システムを売り込みに来た営業担当者に対し、


「うちの自治体のホームページくらいは調べて、内情を把握したうえで提案しに来たのですよね?」と質問し、


どうやら何も調査していないなと感じたら、「忙しいので、後日、アポを取ってからお越しください。」と断っていた。


これが当然の対応だと思う。


無駄な営業の話を聞き、無駄に時間を使い、無駄に皆さんの税金から給料をもらうわけにはいかない。


私なら、相手のことを考えない業者とはお付き合いしません。



ここからは愚痴になってしまいますが、


面接において、私がシステム関係に詳しいこと、今後はホームページ制作なども行いたいということに対して、


「そういう会社で働けばいいのに、なぜ、図書館なのですか?」と聞かれた


話しても理解できないだろうと思いつつも、「地域との繋がりを持ち、地域の活性化に貢献するため」というような答えをした。


システムに詳しいならシステム会社で働けというのは実につまらん発想だ。


何のために仕事をするのかを考えたことは無いのか?


私は地域、地方の活性化のために仕事がしたいのであって、ホームページを作りたいからホームページ制作を学んだわけではない。


ホームページ制作はそのための手段のひとつとして考えているだけだ。


地域の活性化のためには地域を知る必要がある、そのために地域の図書館で働き、地域の人たちに少しでも多く接する。


裏にそんな考えがあることなど、契約社員を効率よく働かせて儲けを得ることしか考えない連中には想定不可能だろう。


私は今後、観光業界やマーケティングについても勉強するつもりだ。


ホームページ制作を学ぶ=ホームページを作る仕事がしたい とは限らないのですよ。


地域、地方の良いものを少しでも多くの人に知ってもらい、地域、地方を活性化させる。


知られぬまま廃れてしまうのはもったいないという思いから動いているのです。