あるテレビ番組で高齢者住宅の特集をしていました。


その高齢者住宅は病院と同一の建物の中にあり、病院だけではなく、エステやカラオケルームなどもあるものでした。


病院が住居の下にあるため、お年寄りにとっては便利で安心でしょう。


さらには、食事も3食準備され、エステやカラオケも内部で楽しめるという、至れり尽くせりの施設です。



しかし、高齢化の進む日本の社会の在り方として、これでいいのでしょうか?


まぁ、お年寄り個人としては、お金さえあれば、至れり尽くせりの悠々自適な生活が送れることに何の文句も無いでしょう。


社会全体から見たら、現役世代は年々負担が増大、お年寄りはそんな社会とはあまり接することもなく至れり尽くせりの生活。


これは変ではないだろうか。



これからの日本は、さらに高齢化が進む。


そして、さらに現役世代の負担は増大する。


ならば、お年寄りにはできる限り自立をしてもらい、社会とも関係を持ちつつ、可能ならば社会貢献などもしてもらいつつ生活してもらう。


そういう方向へ進まなければ、日本の社会は維持できないだろう。



高齢者住宅に高齢者が集まり、現役世代にしっかりとケアをしてもらいながら生活するのは、理想ではあるが、少子高齢化の進む日本社会には合わない。


高齢者でも自宅に住んでいれば、自分の家の前くらいは掃き掃除したりするだろう。


それが社会貢献のひとつにもなるが、至れり尽くせりの高齢者住宅ではそんなことをする必要もない。


言い方を変えれば、そんなことすらしなくなる。


日中、至れり尽くせりの高齢者住宅内にあるカラオケルームでカラオケをしていれば、小学生の下校時間に見守ることもなくなる。


言い方を変えれば、そんなことすらしてくれなくなる。


現役世代におんぶにだっこ状態で、社会との繋がりも希薄になり、家の前の道路を清掃するとか、小学生の下校を見守るといった社会貢献もしなくなる。


これって健全な老後と言えるのだろうか?



個人でお金を持っている人が自分のお金でそれを実現するのは結構だが、そんな生活を実現するために年金が使われるのは、今後さらに負担が増大する現役世代としては考え物だと思う。



やはり、これからの高齢者は、


社会との繋がりを持ちつつ、できるかぎり自立してもらい、余裕があるなら社会貢献も。


そうでなければ、現役世代は潰れてしまうし、社会そのものも崩壊してしまう。