先日、私の地元近くの駅において、目の不自由な方がホームから転落し、その7秒後に進入してきた電車にひかれお亡くなりになるという事故がありました。
現在、都内の地下鉄駅などでは転落防止のためのホームドアの設置が進んでいますが、全体からすると極わずかな状況です。
今回の事故により、新聞紙上でもホームドアの設置をという記事が掲載されていました。
確かに、転落防止のためにホームドアを設置するのは良いことです。
しかし、今回の事故もそうですが、本質を見失ってはいけません。
そもそも、この事故が発生した際、ホームに誰一人いなかったのでしょうか?
私自身も事故現場となった駅を利用しますが、午後1時頃であればホームに誰もいないということはありません。
今回は、ホームの端を知らせる点字ブロックを越えて、ホーム本来の端までの幅約1m足らずのところを歩いていたそうです。
杖を突いて歩いている目の不自由な方がそんな場所を歩いていたにもかかわらず、誰一人声をかけなかった、誰一人内側へ導いてあげなかった。
なぜでしょう?
それに、駅員は何をしていたのでしょう?
最近は人件費削減のためでしょうか、ホームに駅員が常時いません。
数分間隔で電車が進入する朝、夕の通勤時間帯だけ常時いる状態で、日中は電車が進入してくる少し前に出てくるだけです。
ホーム上に監視カメラも数台設置されていますが、それを常時監視しているかどうか定かではありません。
監視カメラを常時監視しているなら、杖を突いて歩いている人が点字ブロックを越え、ホームの端まで1mのところを歩いているのを見逃すことはないでしょう。
その状態を見つけたら放送で注意を促すことができたはずですし、駅員が駆け寄り保護することもできたはずです。
今回の事故はただ単にホームドアが無いから発生した事故として片づけるのはどうかと思います。
本質はそこではありません。
周囲の人たちが周囲の危険を察知できない、察知していたとしても行動に移さない、
そして、駅の安全確保が本当に充分なされていたのか。
そういった面から考え直さなければいけない問題だと思います。
「また、こういう事故が発生したのだからホームドアを設置すべきだ」という安易な解決方法では、ホームからの転落事故だけしか防げません。
しかし、本質から見直していけば、それ以外のことにも多く関係し、より多くの事故や問題を防止、解決できるはずです。
と、新聞社の社説のようなことを書いてみました。
てか、最近の社説の内容は薄い気がする・・・