TPP交渉に参加することとなりましたが、


このTPPに参加、不参加にかかわらず、農業については今後どのように発展させていくかを考えなければなりません。


どのように保護していくかではなくて、「発展」です。


保護し続けていて発展はあり得ません。


海外の安い農産物が国内に入ってくれば国内の農業は壊滅という、公式のような考え方だけでは


TPPに不参加だろうが、農業をどれだけ保護しようが、行きつく先は国内農業の衰退、さらには壊滅に変わりはありません。


以前から不思議に思っているのですが、


なぜ農業は農業だけでしか考えないのでしょう。


農業は農産物を生産することだけであり、それを市場で売ることにより収益を得るわけです。


つまり、農業で生産された農産物を売るという商業も含めて考える必要があると思うのですが、


農産物を作る努力はわかるのですが、それを売る努力はどれほどのものなのでしょうか。



そして、安い農産物に国産の農産物が負けるというのは本当のことなのでしょうか?


農産物とはそんな単純な物なのでしょうか?


値段だけで判断すべきもの?


品質は?農薬を使う量は?作っている人の思いやこだわりは?


物の値段とはそういったものを含めて決まり、表面的な値段だけで物を選ぶというものではないと思うのです。



安い米が海外から入ってくる。


しかし、どのように作られているか遠い国のことなのでわかりません。


農薬がどれほど使われているのか、検査はしっかり行われているのか、作っている人の農作物に対する思いはどんなものなのか、


どれだけ安くても、それらがはっきりと見えない状態では、今月は給料が少ないからという理由でしか買うことはないでしょう。


そして、1週間前に収穫した新鮮な農産物ですと言って売られる輸入品と、


今朝収穫した新鮮な農産物ですと言って売られる国産品、どちらが新鮮なのかは明白。


少なくとも、新鮮さでは国産に勝てる外国産などあり得ない。


さらに、私個人としては、使う農薬の量の少なさや、できあがった農産物の品質で国産に勝てる外国産もないと思っています。



価格だけを考慮すると外国産に負けてしまう国産品ですが、


高度な農業技術で作られることによる品質の良さ、安全性の高さは世界トップレベルのはず。


なにも価格競争をする必要はないのではないでしょうか。


品質競争、安全性競争に持ち込んでしまえば日本産は圧勝のはずです。



では、価格競争ではなく、品質競争、安全性競争に持ち込むにはどうしたらよいのか、


それは商業の力にかかってくるわけです。


これまでは農業だけで頑張ってきたわけですが、これからは農業プラス商業で国内に限らず、世界に市場を拡大するべきです。


日本の高度な農業技術で作られた安全で高品質の農産物を欲しがる人は必ずいます。


少なくとも、経済的に余裕がある人なら、多少高くとも安全でおいしいものを食べたいと考えるはず。


日本国内の市場は今後縮小し続けます。


縮小だけでなく、低所得者層が増加し、弱くもなるでしょう。



今後は、日本国産の安全で高品質な農産物を発展著しい国の人たちが食べ、


日本国民は外国産の安い農産物を食べ、という状況もあり得るでしょうし、そこまで割り切ってでも


日本の農産物を海外市場に売り出す必要があると思います。