どうも日本企業は20年ほど前からおかしな方向へ向かっている気がします。


簡単に言うと、


「努力の仕方がおかしい」


バブルが崩壊し景気が長い下り坂となったためか、企業としての本質を見失ってしまったのではないでしょうか。



業績が悪化した状態で企業として存続させるために企業が行った努力とは


無駄を無くし費用対効果を高める


採算の良くない事業を削減する


人件費を削減する


などなど、削減することばかり。



そして、削るところが無くなったら身売りするしかなく、三洋電機などは身売りをして名前すら失ってしまった。



無駄を削減するのは良いことですが、人件費削減はやり方に気を付けないと逆効果になります。


正社員として雇わずにパート、アルバイトを雇い人件費を削減するというのはいかがなものか・・・


正社員として雇われるのと、パート、アルバイトとして雇われるのとではモチベーションが違うでしょう。


パート、アルバイトの人がその企業の理念などをどこまで理解し、理念のもとに行動できるのか疑問です。


人件費削減のために非正規雇用の比率を高めたが、士気が低下し企業としてのパワーまでもが低下しては意味がない。


人件費削減は手っ取り早い手段ですが、継続的効果は少ないです。



ファミレスを例にすると、


経費削減をしたため、食材の質が低下、人件費削減のためパート、アルバイトが主となった運営となっています。


キッチンでは料理の基本から学んだ社員ではなく、素人である主婦や学生がマニュアルを見て作っています。


食材の質も低下した上に作り手も素人では、お金を払ってでも食べたいと思える料理などできるはずがないのです。


素人が容易に手に入れることのできない食材を使い、


素人が作るには難しい料理を


素人以上の腕で作り提供する。


だからこそ素人がお金を払ってでも食べに来る。


これが本質だと思うのです。


どのファミレスも経費削減策で乗り切ろうとしている中、逆に、この本質を見失わずにコツコツ経営している方が最後まで生き残るのではと思うのですが・・・



ファミレスの裏側を知っている私個人としては、


腹が減った時にはコンビニでおにぎりでも買います。


旨いものが食べたいときには専門店に行くか、自分で良い食材を用意し自分で調理します。



なぜ、削減する努力を魅力ある商品開発へ使わないのか


削減には限度があるため効果は一時的、魅力ある商品開発は難しいですが効果は長期間に及ぶでしょう。


「コツコツ真面目に攻め続ける」 これが生き残る企業だと思います。




人件費削減に絡んでもうひとつ


パート、アルバイト募集で、朝9時から夕方5時まで勤務、それを週5日ほどできる方を募集というのを見かけますが、


それって正社員と同じ勤務体系じゃない?


それなら正社員を募集すればよかろうにと思うのですが


正社員と同様の勤務体系で正社員同様の仕事をさせるのに、パート、アルバイトとして雇用するというのが多い気がします。


これが貧富の差拡大に繋がっているのではないでしょうか。



最近アメリカで格差拡大に対するデモがありましたが、今後はそれが世界的に広がることでしょう。


日本でも、「正規雇用と同様の8時間労働をさせるのであれば正社員として雇用しなければならない。」という法律にすべきではないでしょうか。


そうすれば、正規雇用の比率も増えることでしょうし、


8時間労働での募集ではなく、それを分割した半日での募集が増え、


子育てをしながらの労働もし易くなるのではないでしょうか。