クマノの漁民

神武東征の水先案内をした椎根津彦(しいねつひこ)は家舟漁民であったろう。のちその功により、倭国造(やまとくにのみやつこ)すなわち地方長官になったという。しかしこういう操船は主として男の仕事である。
家舟漁民は「男性優位社会」とみることができる。

これにたいしもう一つは「潜水漁民」である。これは陳寿が、

 

倭の水人、好んで沈没して魚蛤を捕らえ、文身(いれずみ)し、亦以って大魚・水禽を厭(はら)う。

-魏志倭人伝ー

 

といったように、日本の大部分の漁民は「潜水漁民」であった。そこでは男も女も水に潜る。したがって陳寿のいうように、男女の社会は性差別が少なかったことであろう。古くからのクマノの漁民、あるいはイズモ族は、そういう漁民であったとおもわれる。


最近、住吉三神が気になっております。
潜る深さでその領域が違っておられる。

潜るとわかるのか、潜れないから分からない。

海人の入れ墨も気になります。