アンドレアスは丹念に部屋を眺めていた。そうすればこの部屋に親しみがわくというものだ。
それから突然、好奇心がわいてきた。
白い把っ手つきのドアが気になってならない。
不安でもあれば、この手のものに慣れてもいなかったが、思い切って立ちあがった。
ドアの向こうをたしかめてみよう。
当然かたく鍵がかかっているものと思っていたが、おどろいたことに、ドアのほうがいそいそと出迎えるかのようにハラリとあいた!
それが浴室だということが、ようやくアンドレアスに呑みこめた。美しいタイル張りで、浴室が白々と輝いている。(略)
からだを洗いたいと、ふと思った。