(冥王星の影響力について)
「きみに分かるように言うと、あるビルの解体が決まったとしましょう。そのビルは放っておくと崩れてしまう危険なビルでした。そのため、住人には解体とその理由をお知らせをします。住んでいる人は、そのビルを気に入っているので、嫌がったり怒ったり、はたまた、どんなにお知らせをしても、気が付かなかったり、見て見ぬ振りをする人もいる。でも解体は決まったことなので、手を替え品を替え、お知らせをしてきました。そうしていざ、解体が決行された。その後に『解体されたことで住んでいた人が大変な目に遭ったんですよ!』という話を聞かされたら、きみはどう思いますか?」
ヴィーは、言葉に詰まって、下唇を噛む。
もちろん、とハデスは息をつく。
「申し訳ないし気の毒にも思います。でも、致し方ない、という気持ちです」
ヴィーナスは何も言えなくなって、目を伏せる。
ハデスの言うことも分かる。