双葉層群の化石産地で露頭から剥がした岩塊を割ってみたら、



こんなサメの歯化石が出てきました。
主咬頭、写真左側の側咬頭、歯根とも保存状態が良好で、歯頸帯もハッキリと確認できます。
咬頭の色も黒でなく、茶色系でグラデーションがかかっていて、個人的に好きな色です。
 
写真右側の歯根と側咬頭が母岩にかくれています。
残っていてくれ!と願いながら、クリーニングしました。


ありました!
側咬頭も歯根もきれいに保存されていました。



右側の側咬頭に細かいヒビが見られたため、補修し母岩から外しました。


舌側面です。
クレタラムナ属のサメの前歯化石です。


主咬頭、側咬頭も先端まで保存されています。特に歯根の保存状態が良好です。


唇側面です。
高さ18.4mm、幅 12.3mmです。



Cretalamna sp. (the Futaba group, Fukushima)


これまで採取したサメの歯化石の中でも、非常に保存状態の良い化石が採取できました。

双葉層群の化石産地で、露頭から剥がした異物を大量に含む岩塊を割ってみたら、

異物の間から、硬骨魚類のものと思しき歯化石が出てきました。しかも、歯化石右側に薄茶色の部分が…歯根?…が付いてる!?


歯根?にヒビがはいっているので、補修しながら、母岩から外しました。


上の写真と同じ面です。
歯根?と思った部分は歯冠に繋がっており、やはり歯根でした。



裏側の面です。
歯冠上部に凹みがあり、歯冠下部には写真縦方向に畝状の凹凸があります。
高さ7.2mm、幅4.3mmです。


面白い形なので、角度を変えて何枚か撮影しました。


歯根に凹みの無い面を歯冠上方から撮影しました。

歯冠に凹みの無い面を左側から撮影しました。

歯冠に凹みの無い面を右側から撮影しました。





凹みのある面を歯冠上方から撮影しました。

凹みのある面を左側から撮影しました。

凹みのある面を右側から撮影しました。

歯冠に凹みのある面を歯根下部から撮影しました。



硬骨魚類の歯化石で割合産出頻度が高いのはエンコドゥス属の歯化石ですが、これは先端が尖った細長い形状をしています。歯冠が丸いタイプの硬骨魚類の歯化石はそれ自体の産出がレアですが、その中で、歯根が付いているものはほとんど採取したことがありませんでした。
超レアです!


ピクノドン目の硬骨魚類の前方の歯化石かなと思っています。


Pycnodontiformes gen. et sp. indet. (the Futaba group, Fukushima)









双葉層群の化石産地で露頭を剥がしたところ、写真の化石が出てきました。

歯冠の根元です。左右楕円形の部分は、歯根が付いているはずだったところです。
サメの歯化石では、最も厚みのある所で、ここで折れるとは…



周りを探し、相方が見つかりました。
両側の歯根の断面と、手前側の歯根が見えています。


断面は割れやすいので、まず両方の岩を接着し、それからクリーニングしました。


唇側面です。
割れていた面も上手く繋がりました。
側咬頭が無く、主咬頭の切縁が左右に広がっています。




舌側面は
歯根中央部が欠落していました。残念!
ここが欠落していたので、歯根根元で割れたのかな?

高さ19.6mm、幅13.6mmです。


歯根中央部に欠落があり、中央溝の有無が確認できませんが、その形状から、パラノモトドン属のサメの歯化石だと考えています。

Paranomotodon sp. (the Futaba group, Fukushima)

欠落がありますが、レアなサメの歯化石を採集できました。

双葉層群の化石産地、異物が大量に堆積している層から、サメの歯化石が出てきました。主咬頭の先端のみが見えていただけでしたので、これまでの経験から主咬頭のみだろうと思い、撮影せずにクリーニングを始めたところ…


主咬頭に亀裂があるものの、ほぼ完形のサメの歯化石が出てきました。

主咬頭の周りに見える異物を大量に含む層にこのサメの歯化石が埋まっていました。
堆積する際にかなり撹拌されたと思われるため、これまでは、このような層からサメの歯化石が産出しても、割れている場合がほとんどでした。

ラッキーです!


従来、クリーニング、修復用の接着剤としてはアロンアルファを使っていましたが、今回は博物館などで使われる、パラロイドのアセトン溶液を使いました。



パラロイドの5%溶液を歯根部が割れない様に塗布して母岩から外し、主咬頭の割れている部分をパラロイド20%溶液で接着しました。



舌側面です。



唇側面です。
舌側面の亀裂を上手く接着することに集中したため、唇側面の亀裂が上手く繋げられませんでした。


パラロイド溶液の強みは、再補修のしやすさにあります。アロンアルファでは一度接着してしまうと、やり直しはとても大変です。


主咬頭を接着した部分にアセトンを塗布しました。固まっていたパラロイドは簡単に溶解し、楽に剥がすことができました。
接着面には溶解したパラロイドが残っているので、そのまま再度、接着にチャレンジしました。


舌側面です。



唇側面です。
1回目に比べて、舌側面はほぼ同等、唇側面は良好に接着することができました。

高さ20.1mm、幅17.1mmのクレタラムナ属のサメの側歯化石です。




パラロイド溶液は綺麗に補修するのに、やり直しがしやすくとても便利な接着剤でした。一方、アロンアルファに比べて、接着に時間を要するため、接着後、そのまま暫く保持しておかなければなりませんでした。


アロンアルファとパラロイド溶液を上手く使い分けしながら、化石のクリーニング、修復に取り組んで行きたいと思います。




双葉層群の化石産地で露頭から剥がした岩を小割りしていたら…

岩の表面に写真のサメの歯化石が出てきました。主咬頭も側咬頭も揃っています。
完形か!?


クリーニングしました。


舌側面です。
クレタラムナ属のサメの後歯化石です。
ほぼ完形です!




唇側面です。
高さ8.7mm、幅11.9mmの小さな歯化石ですが、側咬頭が面白い形をしています。



遠心側の側咬頭は…
蟹の爪の様な形状です。


近心側の側咬頭は…
襞々が見られます。


露出を調整して見ました。

クレタラムナ属のサメの歯化石の側咬頭は通常は二等辺三角形です。今回の様な変わった形状の側咬頭を持つ歯化石も稀に産出しますが、個体変異の範囲内の様です。

Cretalamna sp. (the Futaba group, Fukushima)