- 前ページ
- 次ページ
以前双葉層群の化石産地で写真のサメの歯化石(Cretalamna sp.)を採取していました。

個別のケースに入れて保存していましたが、歯根に緑色の斑点が出てきました。
ケースは外気と完全に遮断できていないので、外気に含まれる酸素や湿気により、歯根に含まれている銅などの微量金属が酸化した可能性もあると考え、アスコルビン酸(ビタミンC)水溶液で還元してみることにしました。
ここで、大失敗!
サメの歯化石全体をアスコルビン酸水溶液に浸漬してしまいました。
その結果

緑色の斑点は消えましたが、歯冠や歯根はこんな色になってしまいました。
アスコルビン酸は還元剤としても使われますが、酸でもあります。
迂闊に浸漬してしまったため、歯冠表面のエナメル質は安定性の高い物質ではありますが、酸の影響を受け光沢を失い、歯冠内部や歯根は、還元剤の影響を受け変色してしまったものと考えられます。
アスコルビン酸水溶液の濃度や浸漬方法など慎重な処理をすべきだったと猛省しています。
緑色の斑点を見つけて以降は、クリーニングしたサメの歯化石は歯根も含め、良く乾燥させ、3%のパラロイドのアセトン溶液を塗布することにより、斑点の発生は防止できています。
双葉層群の化石産地で露頭から外した岩を割ってみたら…
こんなサメの歯化石が出てきました。
割れた主咬頭とその左側に側咬頭が見えています。主咬頭の割れた部分は回収できました。
この状態で産出すると、主咬頭右側の岩の中には側咬頭や歯根は無く、残念!となる場合が大半です。
ドキドキしながら、写真右側のクリーニングを開始しました。

写真右側に側咬頭が見えてきました!
やった! まずは、第一関門突破です!
舌側面です。

クレタラムナ属のサメの側歯化石でした。
高さ17.0mm、幅20.7mmです。
Cretalamna sp. (the Futaba group, Fukushima)
左右の側咬頭の外側下端に小さな突起があります。
更に…
前々回に歯根のある珍しい硬骨魚類の歯化石をアップしましたが、過去に採取した硬骨魚類の歯化石を調べたところ、もう一つ、歯根のある歯化石が見つかりました。
高さ、幅とも2mmに満たない極小歯化石です。
角度を変えて何枚か撮影しました。
やはり、ピクノドン目の歯化石だと推定しています。
Pycnodontiformes gen. et sp. indet (the Futaba group, Fukushima)
とても珍しい硬骨魚類の歯化石を過去に採取していました。
双葉層群の化石産地で露頭から剥がした岩塊を割ってみたら、
こんなサメの歯化石が出てきました。
主咬頭、写真左側の側咬頭、歯根とも保存状態が良好で、歯頸帯もハッキリと確認できます。
咬頭の色も黒でなく、茶色系でグラデーションがかかっていて、個人的に好きな色です。
写真右側の歯根と側咬頭が母岩にかくれています。
残っていてくれ!と願いながら、クリーニングしました。
Cretalamna sp. (the Futaba group, Fukushima)
これまで採取したサメの歯化石の中でも、非常に保存状態の良い化石が採取できました。

















