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前回アップしたサメの歯化石と8月11日にアップしたサメの歯化石を並べて撮影しました。
いずれも舌側面です。
写真左側が前回アップしたもの、右側が8月11日にアップしたものです。
いずれも完形で、似た形をしています。
しかし、側咬頭の形を比較してみると、写真右側のサメの歯化石は
一方最初の写真左側のサメの歯化石は












近心側です

遠心側です。

いずれの側咬頭とも半円形で先端がはっきりしていません。
Siversson et al.(2015)によれば、側咬頭の形状については、Cretalamna catoxodonのみが、側後歯において、半円形で先端が不明瞭と記載され、その他は三角形あるいは亜三角形とされています。
今回採取したCretalamna属のサメの歯化石は、Cretalamna catoxodonの可能性があるかなと思っています。
これまで同一産地で採取した保存状態が良好なCretalamna属のサメの歯化石11本の側咬頭の形を確認して見ました。
以下に写真を並べます。











歯根、歯冠の形状に差異があり、数種のCretalamna属のサメの歯化石が含まれていると思われ、前歯、側歯もありますが、いずれのサメの歯化石も側咬頭の形は三角形、あるいは亜三角形であることが、わかります。
これらから、今回採取したCretalamna属のサメの歯化石は産出頻度が低く、これまで採取したものとは、別の種(Cretalamna catoxodonか?)であると考えられると思います。
更に、色々調べたいなと思います。
参考文献
Siversson et al. (2015) Late Cretaceous (Cenomanian-Campanian)
mid-palaeollatitude sharks of Cretalamna appendiculata type.
Acta Palaeontologica Polonica, 60(2) 339-384
双葉層群の化石産地で露頭を剥がしたら…

割れた歯根が出てきました。
側咬頭、歯根が保存されているかも…
割れた歯根の相方は、露頭に…

ありました!
が…主咬頭先端が…
露頭の足元を探し…

見つかりました。
砂利の持ち帰りにならず、良かった!
露頭に貼り付いていた化石を慎重に露頭から剥がしました。剥がした面を見てみると…

側咬頭と歯根が見えました。
ギリギリでしたが、上手く剥がせたようです。
主咬頭や歯根の割れた断面が複雑な形状になっているので、これ以上割れないよう、補修を繰り返しながら、慎重にクリーニングをし、各部品を貼り付けました。
Cretalamna sp. (the Futaba group, Fukushima)
側咬頭の形状が丸く、先端に分岐があります、珍しいと思います。
保存状態の良い大型のサメの歯化石でしたので、上手く修復できて嬉しいです!
このブログではクレタラムナ属のサメの歯化石の記事をよく掲載しています。
白亜紀後期を中心に繁栄したサメですが、絶滅してしまっていて、現存していません。
現存するどのサメがその子孫なのでしょうか。
ネズミザメ目(Lamniformes)のサメに分類されるクレタラムナは、以前はホホジロザメやアオザメといったネズミザメ科(Lamnidae)のサメが直系の子孫だと考えられていたようです。
しかし、近年はホホジロザメなどを含むネズミザメ科が子孫というよりも、オトドゥス科(Otodontidae)に属し、史上最大のサメであるメガロドン(Otodus megalodon)をはじめとするオトドゥス属(Otodus)の巨大サメの系統が子孫である可能性が高いとされています。しかし、オトドゥス科(Otodontidae)に属するサメ類自体が、メガロドンを含め絶滅してしまっているので、現存する直接的な子孫はいないと考えられています。
クレタラムナ(Cretalamna)は、ネズミザメ目(Lamniformes)のサメに分類されることから、現存するホホジロザメやアオザメといったネズミザメ科(Lamnidae)のサメのと遠縁の親戚と言う感じかな、などと思っています。
しかし、クレタラムナ属のCretalamna appendiculataは単一の種ではなく、複数の種の複合体であったという論文も発表されています。
白亜紀後期に数多くの種のクレタラムナ属のサメが存在していたとすれば、進化の系統図は更に複雑化する可能性が高く、また新たな進化の系統図が出てくることも十分にあると思われます。
とりとめのない話になってしまいましたが、現状では、クレタラムナには直系の子孫はいないと言うのが主流の考え方のようです。
(個人的な見解も含まれていますので、その点、ご了承下さい。)
















