2024.5.18

 一つの事を伝えようとしても、それが伝わるかどうかで、言われた側の受け入れ方が変わってくる。

 

 本人がしている事に対し否定的な意見を言った上で助言をする場合、助言自体はおそらく客観的で正当な考えだろうが、前提として本人の行動や考えを否定する事が、果たしてアドバイスとして適切なのかどうか。

 

 意見を言う側は、親切心で言っているのだろうが、本人が素直にそれを納得し受け入れられるかどうかで、アドバイスが生きるかどうかが変わってくる。

 

 否定的な意見を伝えながら正論を言う側は、おそらくだが、自分の意見の正しさに酔いしれている。自分の発言に自信があり、より良い行動を取って欲しいと願っている。本人のために思いつく事を伝えている。根っこにあるのは親切心なのだが、相手の立場に立っていない。

 

 頭ごなしに正論を振りかざしたとて、行動するための現実性が乏しかったり、本人の事情を把握できていない状態でのアドバイスであれば、空論になってしまう事も考えられる。

 

 反発心や精神的ダメージが発生する事は、実行性のあるアドバイスとして相手に伝わらず、本人のモチベーションは逆に下がってしまう。

 

 伝わるアドバイスをするには、まず相手の行動や考え方を理解する事。そして相手の立場に立って何ができるか現実性のある助言をする事。相手が納得できて初めてアドバイスとして成立する。コミュニケーション不全を起こさないためにも、単なる押し付けではなく、やる気を起こさせるワードを選択する事が大切だ。

 

 ヒアリングから始め、寄り添う。現実的な助言によって本人に気付きを与え、行動力を高める。相手の事を考えアドバイスをするのであれば、有益となる工夫も必要だろう。