あれから約10年が経過した。一番最初に心配した認知症には、今もなっていないのだが、残念ながら、脳力低下は着実に進み、厳しさを増していると感じる。
今、MRIを撮れば、何らかの異常(の兆候)が出ているかもしれないとの思いすらある。
先へと進むでいくために、まずは現時点での状況を、しっかりと分析してみよう。
○思い出し力の低下
頭の中にはあるのだが、とにかくその言葉が出てこない。名前から始まり固有名詞、さらには普通名詞にも拡大している。
おそらくではあるが、文章を書く力も落ちているはずだ。その場その場で適切な単語を上手く頭に浮かべられなくなっているに違いないからだ。
話をするのも同じである。ポンポンとネタを繰り出して会話をする。相手の言葉に上手く反応する、突っ込みを入れる。以前より会話が弾まないし、笑いを取る場面も減少したという感覚がある。
○覚えられない、忘れる
覚えようと意識してさえ、なかなか頭に定着しない。新たな知識の習得の妨げとなる。
また、今しがたの出来事や後でやろうと思ったことが、別のことに頭が切り替わるとすっかり飛んでしまい、思い出すこともない。ひとまず頭の片隅に残しておくことが非常に難しくなる。
先の予定を聞いても(知っても)、その日が来ても全く思い出すことがない。言われたり、見たり、聞いたりしてから、そうだった、忘れてた、と思い出すのである。こうした事例は日時茶飯事である。
さらに最近の新パターンが、説明を聞いても、一定期間が経過すると、説明を聞いたことすら覚えていない、というもの。これがちょくちょく起こるようになった。
最初にこの事態に遭遇したときは、かなりの衝撃だった。「思い出せない」のとは次元か違うからだ。
こうなると、例えば初耳の話だと思っても、聞いたことがない、と確信を持っては言いにくい。自信がないので、ひょっとして自分が忘れているだけでは、と思ってしまうのである。まさしく、自分の記憶への信頼度が大きく低下する。
(続く)